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番外編 鬼と人間の合わせ

 特訓二日目が始まる三十分前。


 「ハァハァやるじゃねぇか」


 「流石鬼ね。その人間離れした力は厄介ね……」


 どうして二人が戦闘をしているのかは今日の話でラバキが提案した事に付き合っていたのである。


 それはタッグを組み、近・遠としての力を確認するためである。


 自分の主を死なせなくないのかラバキはこの実戦をしようと決行したのである。


 どうして実戦なのかというと本当の"命のやり取り"で互いに本気になれると狂った考えだった。


 私は……渋々承諾したのである。


 本来、悪魔とは自分を縛りつけるもしくは無理矢理従うのは抵抗があるはずである。


 隙をついて自ら殺そうとするはずなのにしない。不思議でもある。


 「どうして貴方は主を殺さないの?」


 「あ?そんなくだらねぇ事はしてねぇ。アイツはオレを愉しませてくれる存在だからな。ここでくたばってもらっちゃ困るんだわ」


 「……」


 ドン引きだーーこれも鬼に流れる闘争本能の血の性かも知れない。


 話しを戻すが本来であれば強調性とは長い時間をかけて互いを知れる。


 だが二人は経った三十分で息がピッタリ合っていった。


 一つ不思議に思う。なぜかラバキは体術しかしてこないのである。


 無論、鬼には本来であれば妖術を扱える者がいるのである。


 ラバキにはその能力がないのかと疑問を浮かべる。


 「ねぇ貴方には妖術は無いの?まぁ簡単に教えてはくれないよね」


 「あ?そんなモンに頼らなくてもオレは強ぇ」


 気に触ったのか不機嫌に顔を歪める。


 だが本当に教えてくれないだろう。自分を殺そうとした人間にはーー


 「そんな事はどうでもいい……さぁそれよりも続きをしようぜぇぇ!!」


 「はぁーーそうね」


 ヒュンヒュンとレイピアを振り、穂野江は構えをとる。


 流石ね……あんなに切りつけたのにもう回復してる。さすが鬼と言われる存在ね。


 対してラバキ。


 スゲェなこの女。一歩でも油断しちまったら足をすくわれるな。


 互いに強者として認め合う二人。


 二、三分の睨み合いが続いたがラバキは構えを解く。


 「こんくらいで良いだろ。女」


 「そうね。後、私の名前は穂野江夏よ。ガサツに女って呼ぶのはやめなさい」


 軽いプレッシャーを放つがラバキはそよ風のように受け流す。


 「そうか、すまなかったな」


 「……」


 「まぁとりあえず、アイツが強くなるにはこれしかねぇ」


 「そうね……彼には生き残ってもらわなきゃ」


 二人は山から覗く日の出を見つめる。


 「それじゃ始めるか。穂野江」


 「えぇ頼むわ、ラバキ」


 そうして二人による最強の近・遠の攻撃を持つタッグが誕生したのである。


 こうして二、三日での六真が苦戦する特訓が始まる前日だった。

どうも〜作者の蒼井です。

読者の皆様、お元気ですか?

まだまだ風邪が流行しているので体調に気をつけて過ごしましょう。

それではまたお逢いしましょ〜う(^O^)/

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