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第十九話 情報の大樹【ユグドラシル】

 葉柄は、六真正士の詳しい情報を調べるために様々な国の技術者が創り出した大樹。


 人間の知恵の結晶とも言える立体映像で映し出されている情報の大樹【ユグドラシル】


 ユグドラシルには未来・現在・過去を見通す事ができる。


 さらには、悪魔の出現場所、邪気の流れを予測もできる。


 サイタイスの母体、マザーとも言える。


 DDO隊員の連絡、悪魔の情報、特殊なアイテムの分析ができるなど様々な用途で活躍している。


 そこには世界中の人間の戸籍が詰まっている。


 「ふぅ……ここに来るのは緊張しますね……」


 首筋からツゥ〜っと汗が垂れる。


 大樹は忙しなく情報の塊であるディスプレイを動かし、整理している。


 ユグドラシルに行くには様々な許可が下りなければならない。


 複雑で手間もかかり、頭と目がクラクラするほどの書類を目に通し、許可書を書がなければならない。


 もし無断で閲覧、入れば重い厳罰では済まされず、【死刑】である。


 機密情報を漏洩を防止、阻止するためでもある。だがユグドラシルには複雑な暗号によるロックを掛けているためそうそう破られる事はない。


 「それでは彼の情報を探しますか」


 端末を操作し、六真正士の名前を入力する。


 NowLoadingの文字が回る。


 そして検索結果がでた。


 だがユグドラシルの検索結果(答え)は、〇だった。


 「な、そんな……!?」


 もう一度、検索するが答えは変わらなかった。


 「なら彼は何故?両親が事故死したと嘘をついたんだ。あの映像からはそう本人が言っていたはず……」


 穂野江から受け取ったデータを思い出す。


 矛盾の言葉が頭を支配し、深く考える。


 「おっと……それ以上はいけねぇなぁ」


 「っ!?」


 背後を取られ、頭に何かを当てられている。


 がチャッとトリガーを引く音が後ろから聞こえる。


 葉柄は拳銃だと悟る。


 「貴方はもしかして……」


 その声は彼とそっくりだった。


 後ろを振り向こうとするがグッと拳銃を突きつけられ、不可能だった。


 「なぜここに侵入できたのですか。強固なセキュリティで護られているはず」


 「まぁちょっとした裏ワザを使ったんだ。教えられねぇけどな」


 ユグドラシルのセキュリティには現代の科学と魔術の複合により造られた。


 そして優れた隊員、総勢千名の精鋭が配備されている。


 それを掻い潜る者は一切いない。むしろそんな記録はない。


 それなのに今、ソイツがいる。


 「私を……殺すのですか」


 「いや、殺しはしない。けどなぁこれ以上、六真正士について嗅ぎ回られちゃあ困るんだわ」


 「クッ!!」


 不意をつき、殴りかかるが躱されてしまった。


 「良い不意打ちだったが残念だったな。それじゃあバイバイ」


 トリガーが引かれ、弾丸は葉柄の頭を貫くが鮮血は流れなかった。


 ユラ〜っと頭の中を通りぬけ、頭の中にあった事がすぅ~っと抜けていく感覚があった。


 グワングワンと視点が揺らつきまるで船酔いが襲いかかる。


 「やはり……あなた、なんですね……」


 その人物を目の当たりにするが葉柄は、意識を失った。


 「すまねぇな葉柄さん……消させてもらったぜ」


 青年はユグドラシルを操作し、情報に偽りのデータで隠蔽を図る。


 「久しぶりだな……ユグドラシル」


 懐かしむように大樹に優しく触れる。


 「じゃあな、また会おう」


 青年は葉柄を担ぎ、その場を離れた。


 「ウッ……ここは?」


 葉柄は目を覚まし、状況を把握する。


 ここは政府の医務室であると確認する。


 「確か、私には調べることがあったような……?」


 思い出そうとするが頭に霧がかかっていて何も浮かばない。


 「そうだ。政府から呼び出しを承けていたんだ」


 葉柄は体を起こし、上司が待つ一室に向かう。


 偽物の情報を染み込まされた葉柄は自分の仕事を全うしようとした。

どうも〜作者の蒼井です!

クリスマスがそろそろ近づいてますね!

私は一人でケーキを突きながらこの寒い冬を過ごしますよ…多分。

それではまたお逢いしましょ〜う(^O^)/

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