第十六話 合格そして三次試験
「六真正士……此度の試験合格!」
「ありがとうございます!!」
タケミナカタさんが習字で書いた卒業証書を受け取る。
本来の試験だったら、不合格にされる所だったがギリギリで掴み取った。
僕はやり切った気持ちとスッキリとした表情で証書を受け取った。
深くお辞儀し、感謝の気持ちでいっぱいになる。
パチパチと穂野江さんが拍手を送ってくれた。
「それじゃあ……こことはあばよだな」
「えっ……」
足の指を器用にパチンッと鳴らし世界が変わる。
現れたのは、あの時の寂れた、陀羅神社だった。
「あれ、身体がおかしいぞ!?」
鍛えられた肉体が消えていってしまった。
まるでリセットをかけられたように。
「まぁそうなるな……」
タケミナカタさんがポリポリと頭をかく。
穂野江さんが今起こった状況を説明する。
「六真君、実はあの世界で修行をしても外側の肉体の成長は、無くなってしまうのよ」
「そ、そんなぁ〜」
あんなにキツく、苦労して手に入れた努力の結晶は無駄に散ってしまったのかとガッカリする。
「でも心配しないで。貴方の身体と心の強さは揺るぎなく大樹のように根をつけているし、【土台】としてしっかりと貴方が自覚してないだけでちゃんとできているから」
「……本当ですか?」
ウンウンと穂野江さんとタケミナカタさんは、頭を縦に振り、肯定する。
実際にその通りである。
六真の身体には常人とは思えない程の肉体の成長を遂げる土台と骨組みが完成していた。
その成長を止めることを知らないがその努力が無駄になる事をすれば、全て泡になるだろう。
二人はそう思い、見極めていた。
「そうか……良かったぁぁ」
ホッと一息ついたが穂野江さんから忠告される。
「だけど慢心したり怠けて鍛錬を疎かにしないようになさい。その努力を決して棒に振らないで」
厳しいお叱りを受け、思わず姿勢を正しくしてしっかりと肝に銘じる六真だった。
試験を乗り切ったことにしみじみとしていると『ポロン、ポロン』と左手首に付けていたサイタイスが反応していた。
『六真正士様、二次試験を無事に乗り越えた事を喜ばしく思います。本当におめでとうございます』
サイタイスからの祝辞に少しだけ照れる。
『それでは最後の試験。三つの依頼をこなし、一隊員【DDO】として認められる事を願っております』
そうしてサイタイスからの連絡ディスプレイが消えた。
ん?最後のしけん??
突然の初耳に時が止まったかのように固まった。
「あら、ごめんなさい。言い忘れてたわね、これで最後の試験よ」
「ウソォ〜ン……」
これで終わったのかと思ったがガックリと項垂れる。
「まぁ頑張れよ!六真!!」
タケミナカタさんは足の親指をグッと立て、元気づけようとしてくれた。
だがそんな慰めは、何も意味がないがありがたくいただく。
ホロリと涙が溢れたきがする。
「明日はゆっくりと休みなさい。依頼に関しては私がサポートするわ」
穂野江さんの助けを借りられる事はなんと心強い!
ちょっとだけ心の負担が減ったのか救われた。
「それじゃあ、俺は帰るぜ。六真……死ぬんじゃあねぇぞ」
「ハイ!建御名方神様、ご指導ありがとうございました!」
六真は、深く恩師に頭を下げてお礼を述べた。
タケミナカタさんは、神社の襖に入っていき、暗闇の中に消えていった。
そうして二次試験を乗り越え、最後の試験に向かう為に気持ちを切り替えて一日の休日に入るはずだった。
あれ、そういえばと気になることがある。
「穂野江さん、僕……学校が明日からあるんですけど。後、この一週間、勉強も遅れているんですけど……」
かれこれ一週間もここでタケミナカタさんの所で修行し、授業に遅れている。
そう。この余計な一言を迂闊に発言が失態につながってしまった。
「その件なら大丈夫よ。休む連絡もしたし、夜中まで貴方が遅れた六日分の勉強はじ〜っくりと私が教えるから」
『覚悟してね。フフ……』の視線をしていてそして恐い笑顔を浮かべ、背中から汗が滲みでる。
あの修行よりももっと困難な勉学が待っている事に絶望する六真だった。
どうも〜作者の蒼井空です!
いや〜雪が降り始めましたね。
特に外に出てると顔がしもやけになりそうなぐらい寒かったですね^^;
読者の皆様は、体調管理にはしっかりとしてくださね!!
いや、本当マジで!!!!
それではまたお逢いしましょ〜う(^O^)/




