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番外編 温泉の美女

 僕、六真正士はとある事件に巻き込まれ、あれよあれよと続流されていく内に神様から修行を受けていた。


 その修行終わりにタケミナカタさんが掘って造ったらしい温泉に入っていた。


 「ふぅ~いい気持ちぃぃ」


 五臓六腑ごぞうろっくに染み渡るような心地の良い温度。


 月明かりに照らされ、ちょっとした風情を感じられる。


 「ハァァァ風呂はまさに命の洗濯だなぁ」


 しみじみとしているとガラガラと戸が開いた。


 もしかしてタケミナカタさんが帰ってきたのかなと思い後ろを振り向く。


 「あっタケミナカタさん、ここの温泉凄く良いで……」


 『す』と言おうとしたがそこには、タオルを巻いていた穂野江さんだった。


 「ほ、穂野江さん!?」


 「あら、まだ入っていたのね」


 僕は飛び上がり、ジリジリと後ろに下がる。


 「あ、あのごめんなさい!すぐに出ていくんで……」


 出口に向かおうとするが穂野江さんに呼び止められる。


 「待って。私、一人じゃ寂しいから少しだけここにいて」


 腕を掴まれてしまい逃げられない。


 なにをやっても逃げられそうにもない。


 「わ、わかりました。けどお互い背中を見せあえ形にしてくれませんか?」


 「それで良いわ」


 悲しいかな男の煮え滾る欲望さがが燃え、背中を向ける間、視線が彼女のふくよかな胸に集中してしまう。


 月に照らされ、真っ白なシンクの彼女の肌が鮮やかに輝いていく。


 ドキドキと心臓が高鳴り続け、頭が熱い。


 「そんなに緊張しないでゆっくりしましょ」


 「ハ、ハイ」


 声が裏返り、こちらの焦りが伝わってしまった。


 「ねぇ……後悔してないの?」


 「後悔……ですか」


 「貴方を巻き込んでしまって、本来なら普通の日常を送るはずなのに恨んでいないの」


 彼女の声は微かに申し訳ない気持ちが伝わってくる。


 「恨んでませんよ。むしろここに来て良かったと思ってるんです」


 「良かったの本当に?」


 彼女は、キョトンしながらこちらに耳を傾ける。


 「はい」


 ハッキリと安心させる声を出す。


 それで安心したのか。


 「良かった……ありがとう六真君」


 背中から柔らかい感触が当たり、両腕で抱きしめる。


 「ちょ!?穂野江さん!」


 突然のことに後ろを振り向きかけたが我慢する。


 「しばらくこのままにして……お願い」


 「……」


 僕等はしばらく月を眺めていた。その月は、淡い月光で優しく包んでいるようだった。


 「六真君、ありがとう。落ち着いたわ」


 「……」


 「六真君?」


 「キュゥゥゥゥ」


 六真は、身体が真っ赤になっていた。どうやらノボせてしまったようだ。


 「あら……ごめんなさい。六真君、無理させたわね」


 穂野江は六真の腕を自分の肩に通し、温泉を後にしたのだった。

どうも〜作者の蒼井です!

ちょっとセクシーな番外編(セクシーと言えるか怪しいが)を作ってみたのですが読んでくださってありがとうございます。

とりあえずボチボチと投稿していくので待ってくださるとありがたいです^_^

それではまたお逢いしましょ〜う(^O^)/

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