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第十四話 二次試験【神との闘い】

 今日が最後の日、修業の成果を出す試験である。


 不安と緊張が入り混じり、心臓の鼓動は不規則になり続ける。


 「あまり気弱ず、正々堂々とぶつかってきなさい」


 「穂野江さん……」


 「私は今回、審判として参加するけど貴方に手を貸す事はできないわ」


 「だから……気をつけて」


 六真の背中を優しくさすり、勇気を与えてくれる。


 僕は全ての不安を完全にはなくならないけど……それでも歩む。


 薄々は解っていた。


 自分には才能もないし、どんなにやってもあのひとには勝てない。


 だけどそれでも良い。


 やれることは全てやった。


 そしてなにより僕は誇らしいだろう。あの神から直々に胸を借りられる。


 僕は、タケミナカタさんが待っている場所に向かった。


 「来たか……」


 「ウッ……!?はい!!」


 チャラポランとした雰囲気が無くなっている。むしろ本気のつら、武神としての顔でいた。


 仁王立ちで待っていたのだ。


 気圧されて全身に震えが止まらない。


 「構えろ」


 冷たい声でこっちにプレッシャーが襲いかかる。


 思わずチビリそうになるが僕は恐怖を押し殺し、タケミナカタと対峙する。


 体が岩のように硬くなった構えをとる。もちろん素人の構え。


 そうして【闘い】が始まる。


 「両者始め!!」


 穂野江さんが戦いの合図を送る。


 「うぉぉぉぉぉ!!!!」


 「……」


 両者はほぼ同時に地面を蹴り上げ、拳と脚がぶつかり合う。


 だが戦いは一方的であった。


 所詮は神と人。決して越えられない壁がある。


 六真の攻撃はことごとく躱され、いなされる。


 息はたえだえで今にも倒れそうになる。


 相手は、一滴も汗を垂らさず、しなやかに捌いていく。


 「……フム」


 タケミナカタは、全ての動きを見透かしているかのように無駄がなかった。まるでこちらの動きのパターンを予知している。


 「クソっ!?なんで当たらないんだ!!」


 焦りでだんだんと六真の動きは、雑さが浮き出てくる。


 そこに浸け込んだのか一気に距離を突き詰める。


 「このままじゃあ……お前、死ぬぞ」


 「フゥ!」


 タケミナカタは完全に殺る目、殺意を向けていた。


 六真自身、短く長い戦いが続いていると錯覚していた。


 闘いが始まってから五分は経っているが六真としての体感では一年間と濃密で濃かった。


 足がもつれてタケミナカタに背中を見せてしまう形ができてしまった。


 「しまっ!?」


 「隙を見せちまったらこうなっちまうぞ!!」


 タケミナカタの鋭い剛脚が腰に迫りくる。


 咄嗟に振り向き、ガードを取ろうとしたが遅かった。


 「ゴボッ……アォォ、ォォ」


 見事にタケミナカタの洗練され、武神としの極められた脚をまともにくらった。


 上半身の骨が砕かれ、主に腰を支える腰椎がキレイにくり抜かれた。


 その感覚は、液状になったかのようにグラッと倒れる。


 その痛みが無い衝撃に気絶してしまった。


 タケミナカタは六真に近づく。


 「もう……終わりか」


 残念そうにむしろ悲しい視線だった。


 「六真……不合」


 と不合格と宣言するがその時。


 「まっ、まだだ」


 フラフラと立ち上がっていたが顔面蒼白だった。


 腰椎をくり抜かれた六真の体は、誰から見ても致命傷だった。


 それなのに立ち上がろうとする。


 何が彼を衝動つきうごかすのか。


 「無理をするな。お前はもう……」


 十分にやったと言い、諦めさせようとした。


 だがーー


 「まだ終わらせませんよ。いや、終わらせねぇぇ!!」


 「これは僕……俺の意志プライドが許せねぇんだ!」


 あの構えをとる。


 審判をしていた穂野江は今にも止めに行きたいがそれをしては彼の意志を無駄にしてしまう。


 頬を噛み、手を握っていたが爪が食い込み小さな鮮血を溢れ出る。


 『六真君、頑張って』と心の中で応援する。


 これは、もし隊員が一人の状況になり、絶体絶命の場面を乗り越えられる試験でもあるが一つの訓練でもある。


 視点を戻し、六真とタケミナカタとの最後の一戦が切られようとしていた。


 「その構え、どこで覚えたんだ!?」


 其の技を驚きで見る。


 そんな事に耳が届いていないのか朧気にあの【技】を思い出す。


 左足・右足を開き、弧を描くようにする。膝を少し曲げていく。


 左腕を脇腹まで引く。


 「ンゥゥゥゥハァァァァァ……」


 鼻から空気を吸い、腹から口に吐き出す。


 その呼吸を繰り返し、周りの雑音を消す。


 六真には、独自の呼吸法を掴み取った。


 それは、簡単なことではない。


 そうして相手を……真っ直ぐ捉える。


 「よしっコォイ!!」


 意志を汲み取ったのか防御(受け)をとる。


 俺は地面を踏み抜き、一つの弾丸が放たれる。


 拳に回転をかけ、壁を貫くイメージを!!


 タケミナカタの腹に渾身の一撃が当たり、バァンと轟音が鳴り響く。


 其の技の名前は


 「【一点鐘いってんしょう】……!!」


 「グハッ!?」


 唾を吐き出し、タケミナカタは後ずさる。


 「良い一撃だったぞ」


 タケミナカタは、今の攻撃を真正面に受けたはずなのにケロっとしていた。


 「……」


 「あちゃ気絶しちまったか」


 立ったまま六真は意識を失っていた。


 見事な技を披露したまま硬直していた。


 「合格だ。六真正士」


 六真には才能も知恵もない誰でも判りきっていた勝負にギリギリで試験を乗り越えたのだった。


 「タケミナカタ様、どうして避けなかったのですか」


 審判を務めていた穂野江は、タケミナカタに近づき問いただす。


 タケミナカタだったらあの技は、いつでも避けれるはずだった。


 それなのに何故と疑問の渦が頭を支配する。


 「それはコイツには、【覚悟の目】をしていた」


 「覚悟の目ですか……?」


 「そうだ。人ってのは誰かを護りたいの感情があると激的に変わる。その目をコイツはしていた」


 「そう……ですか」


 ホッと息をつき六真に治癒の魔法をかける。


 「タケミナカタ様、やり過ぎですよ。これは……」


 全身の骨にヒビが入っているし、あの一点鐘と呼んだ技の影響か左の拳は砕けていた。


 「でもよぉお前達、政府はこんな風に血生臭い闘いをしてるんだろ」


 「そうですが!」


 「まぁコイツには早めに経験できて良かったと俺は思うぞ」


 「ハァ」


 穂野江は、応急処置の魔法が終わり、テーピングをしかけたがその時、六真に異変が起きる。


 「穂野江!今すぐ離れろ!!」


 「うっ!?」


 反射的に二人は、距離をとる。


 するとそこには、ボロボロになっていた六真が起き上がる。


 どす黒いオーラを纏い、光を失った瞳をしながら二人を見据える。


 「よぉ……久しぶりタケさん」


 陽気にタケミナカタを呼んでいるが確信をもつ。


 コイツは、六真正士本人ではじゃないと。


 「お前は、いったい!?」


 「気をつけてくださいタケミナカタ様。コイツは神と魔王に匹敵する邪気があります!!」


 そう、タケミナカタの神としての本能が警告音を鳴らしている。


 (コイツはヤバいと)


 「オイオイ、こんなに痛めつけてくれてよう」


 ソイツはボキボキと全身の骨を鳴らし、今まで受けたタケミナカタの攻撃でズレた骨の位置、砕かれた拳を直す。


 黒いオーラは、かすり傷を癒やしまるで新品同然になっていた。


 「いやぁ~俺は出る気は無かったんだが疼いちまったからな」


 「さて……時間がないから、これで決める」


 「なっ!?」


 一瞬でソイツは消え、タケミナカタの眼の前に現れる。


 「一点消」


 その技は、迷いない一撃だった。 


 タケミナカタは受け身をとっていたが体に駆け回る衝撃を外に全部とは流しきれず、ダメージを負ってしまう。


 「じゃあなタケさん、穂野江さん治療ありがとな」


 哀しい表情をしながらその場で倒れてしまった。


 「いっ、たい何だったんだ」


 「……」


 互いに警戒していたがその後も異変はなかった。


 「タケミナカタ様大丈夫ですか!?」


 「大丈夫だ。まぁとりあえず帰るか」


 「で、ですが」


 もう何も言うなと視線をして六真を担ぎ、小屋に戻っていった。


 イレギュラーがあったものの六真は、【合格】を勝ち取った。

どうも〜作者の蒼井です!

読者の皆様、元気にしておられましたか?

私はブルブルと震えながら暖かい服装で乗り越えようとしています。

所で話は変わりますがクリスマスは皆さん何して過ごしますか?

私は一人でケーキを突きながら、ゲームや本を読み漁っていると思いますね……

長々と書きましたがそれではまたお逢いしましょ〜う(^O^)/

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