プロローグ
突然だが僕は、夢をみていた……
夢の内容は、忘れてしまったがこんな感じだったと思う。
そこは、真っ白の世界だったが二つの道ができていた。
左の道は、真っ暗で鮮血が飛び散っている地面の先に男が立っていた。
その男は、左手を差し出しニヤリと嗤い顔をしていた。
「よぉ……お前、こっちに来いよ。こっちにくれば誰にも縛られたねぇ。自由の世界が待っているぜ」
僕は、右手で握手をしようとするが女の声がそれを遮った。
「その手を掴んではなりません……私と一緒に秩序の正しい世界を創りましょう」
女は、優しい微笑みをして右手をそっと僕に差し出す。
僕は、左手で掴もうとするが、男がそれを遮る。
「オイオイ……ふざけんじゃねぇ。秩序だけの世の中なんて縛られるだけで自由がねぇじゃないか!」
「貴方だって自由を慮っていては、いけません。そんな世界はいつか破滅します」
二人は、どちらも言い合いをして、こっちを無視して激しい討論になる。
だがしばらくすると僕の方に向き直り、意見を求める。
「なぁ、お前はどう思う!」
「貴方は、どう思いますか?」
二人は、どっちも正しいと思う意見を述べていて僕は、腕を組み考える。
考えに考えたが結局は、わからずに答えがでず、なにも言えなかった。
「ケッ……何も言わねぇのかよ」
「残念です……貴方なら解ってくれるかと想いましたのに……」
二人は、もうやめたのかそれぞれの道に進んでいく。
僕は、そこで二人の黙って背中を見つめているだけだった。
「結局どっちが正しかったんだ……」
僕は、その場で何度も二人の意見と自分なりの答えを探しだそうとするが結局はわからずじまいだった。
そのまま考えに耽っていたら目の前に老人が現れた。
「ほっほっほ……お主は、迷っておるのぉ〜」
老人は、僕の心を読み取ったのかこう切り出す。
「お主は、まだ若い……だがこれからはお主の世界を創るのじゃ。それまで様々な経験を培うとよいじゃろ」
「えぇと、貴方は、誰なんですか?いきなり現れて」
僕は、老人の正体を聞こうとするが何も答えてくれなかった。
「ほほっワシの事なんぞ気にせんでいいのじゃ。お主にはこれから苦難の道が待っておる。」
「く、苦難の道ですか……」
僕は、心配そうになりがら老人と顔を合わせる。
「大丈夫じゃ。お主にならきっと乗り越えられるはずじゃ」
老人は、優しい笑みを浮かべ、肩に手を置く。
「は、はい!頑張ります」
「うむ。それじゃあ行くとよい」
老人は、後ろを指差し僕は後ろを向く。
そこには、今まで無かった扉があった。
僕は、なぜだか其処に行かなければならないと本能が囁いていた。
僕は、扉のドアノブに手をかけ、開けようするが老人にお礼を言う。
「お爺さん、ありがとう。行ってきます!」
僕は、満面の笑みをして、扉を開けたら、そこから眩い光が身体を包み込む。
そこから意識が無くなり、扉がバターーンと轟くような音を出し閉まっていった。
「行ってらっしゃい……お主なら悪魔と天使の決戦を終わらせられるはずじゃ。そしてあの子を救ってくれるとワシは信じておるからのーー」
老人は、その場に立ち去り真っ白の世界を彷徨い光の粒子となって消えてしまった。
まさかあの夢が現実になり、悪魔と天使の戦いに巻き込まれるなんて僕は、まだ知らなかったーー
六真正士
誕生日6月4日
年齢17歳
好きな事なし
嫌いな事なし
何をして生きていればよいのか悩んでいる。