邂逅
「燃えろ」
その一言で理解出来た。言霊よりかは呪言の方が近いだろうか。
「何か言う時は気をつけないとな。ただまぁ…開け。そうだよなぁ」
魔力が1減っていた。
何か能力を使えば魔力が減る。当たり前と言えば当たり前のことだった。
「よしっ。とりあえず明かりができたから、周りを見て回るか。何も無ければ朝まで待とう」
不幸中の幸いか、木が少なく周りが見渡しやすい丘の上だった。周りには特に危険な生き物はおらず一夜を過ごした。
「日がでてきたことだし、本格的に動きますか。」
明かりが消えては怖かったので常に火は灯し続けた。
魔力は少しづつ回復しているようで8と9を行き来している。
「衣と住は最悪逃げながらで何とかなるから、とりあえずは食料確保だな。」
衣服は転生前の物があり今は大丈夫だろう。今のこの家は拠点と言うにはかなり心もとないので早々に移動したい。
しかし、丘の上から見渡せる限りは何も無い。道はあるが、覚えている限りでは誰も通っていないから行ったとしてもそこまでいい結果は出ないだろう。
食料に関しては、平原を駆け回っている動物が見えるので頑張れば解決はしそうである。
「武器は…そうか。尖れ」
その辺に落ちていた木の棒に能力を使いとりあえずの槍が出来た。
「これで大丈夫であって欲しいけど。とりあえず試してみよう」
兎から鹿から猪、熊、狐何でもいる。狙うとしたら、まずは兎からにした。そこまで危険ではないだろうし、鹿を倒しても1人では食べきれないだろう。
(冷蔵庫でもあればいいんだけどな)
自分でも分かるが、確実にこの槍1本では無理だ。
その時、思いついたのが以前の自分の発言だ。
(言霊よりも呪言の方が近い)
なら
「動くな」
その瞬間、身体が重くなった。上から押さえつけられてるかのように重い。歩くのがかなりしんどい。
ただ、能力自体は効いたようで1mmも動けなくなった兎が混乱して足は動かず胴体だけ暴れている。
自分だってこんなことしたくない。けど、こんなところに送られて生きるにはこうするしかなかったんだ。
特に大きなこともせず、平凡に生きてきた1学生がこんな経験するわけが無い。初めてなわけだ。
「ありがとう」
そう言い残し兎の命を絶った。
平原のど真ん中にいつまでもいる訳にはいかないので仮拠点の方に近づけて状況の確認をした。
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ステータス
名前 音宮拓斗(男)レベル:1(Ex:3)
能力「言霊(Lv.1)」※スキル上限に達しました。これ以上スキルを獲得できません
体力:10 装備・頭:無し
筋力:5 胴:無し
知力:11 甲手:無し
魔力:3 足:無し
運気:10
所持アイテム:魔兎(死亡)・木槍
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アイテムのところが増えてる。そして、1番の変化は魔力があの一言で6も減っている。3/10にもなると身体にも影響があるらしい。さっきのはこの影響のせいだろう。生物に対してはかなり魔力を使うらしい。
ある程度、体力も回復して来たので帰っていると家の前に誰かいる。武装しているから、警戒して近づく。
「〜いない」「〜も通りだな」
(盗聴する限り、巡回している奴らだろう。今は魔力も無いし隠れて過ぎ去るのを待つか)
パキッ
「誰だ!」(マズい!)
逃げようとし、振り向くともう1人が剣を構えていた。
(疾いっ?!)
「何者だ。名乗れ!」
この状況ダ。下手に動くとほんとに殺られるかもしれない
「タクトだ。訳あって放浪している。あの家を拠点としてたんだが何か問題でもあった。」
「ふんっ…」
剣を突きつけられバクバクしてる時後ろから
ズデンっ!!!
「先輩早いですってぇ〜」
場違いな声が
「嘘はついてないな。ジェイク!早くこっちに来い!お前、何時からいる。服装もここの物とは違うようだがどこから来た。」
「あの家に着いたのは昨日の夜。この服は故郷のものだ。」
「そうか。また来る」
そう言い残し去っていった。ジェイクという男は後ろでメモをしていた。帰って報告でもするのだろう。
ただ、最後別れる時に見逃さなかった。
女性の眼の色が変わったのだ。
今日は限界だし、家に帰って考えよう。
那美那岐です。
読んで下さりありがとうございます。
話が進むにつれ色々想像してることを文字の起こすのが楽しいです。
これからも、お願いします




