入界
自分が覚えているのは学校から家に帰るまでの下校途中まで
「拓斗!帰ったらまたゲームの続きしようぜ」
「あぁ〜…わりぃ。今日妹の迎えがあるから無理だわ」
そんな、よくあるような会話を親友の悟郎としていた。
その時、時速45kmの鉄塊が飛んできたところまでは覚えてる。最後、悟郎が何か叫んでいた気がするがすでに時遅しというやつだ。
今、ただ白い何も無い部屋にいる。
最初何が起きたか理解出来なかったが、時間が少しずつ経つにつれて脳が動き出し現状を理解し始めた。
「残念です」
哀れみを含んだ声が聞こえた。
「聞こえた」と言うよりかは、「伝えられた」という方が正しいだろうか。頭の中で響いたのだ。
「何となくもうお察ししていると思います。そうです。あなたの世界では転生と言うものです。」
あぁ、やっぱりか。
状況が一変しすぎて理解が出来なかったからこそ理解出来た。
現実味が無さすぎる。
「思いのほか落ち着いているようですね。ある程度理解してるようなので話が早くて助かります。」
「それはそうだけど、質問とかさせてくんねぇの?」
「申し訳ないですが、私はあくまで案内人。全ては既に決められており変えれません。私の主様が決定なされたことなので詳細は分かりません。では、転生を始めます。」
「ちょ、待っt」
自分の話は聞かれず全く何も納得がいかないまま飛ばされた。
気がつくと家の中に居た。飛ばされたときに寝てしまったのだろう。目覚めたのは夜だった。
家と言っても蜘蛛の巣はある、ねずみはいる、雨漏りはしてると欠陥住宅のお手本のような家ではあるが。
「動くか。」
夜だからと言って周辺確認はしなければと思い動き始めた時、胸元から感触が。
「なんだこれ」
手紙が一通。ご丁寧に蝋で封がしてある。
手紙には一言「開け」ただその1単語だった。
けど、その1単語でよかったのだろう。口にした瞬間目の前に水色の光が出てきた
「うわぁ…。マジか…」
みんながよく想像するようなものだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ステータス
名前音宮拓斗(男)レベル:1
能力「言霊(Lv.1)」※スキル上限に達しました。これ以上スキルを獲得できません
体力:10 装備・頭:無し
筋力:5 胴:無し
知力:11 甲手:無し
魔力:10 足:無し
運気:10
所持アイテム:無し
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「レベル1でスキル上限ってなんだよ!ほぼ詰みじゃねぇか!」
「スキル言霊ってそのままの意味か…」
スキルも一つだけアイテム&装備無し、そして夜
何もしなくても死ぬ危険性は同じ
なら
「燃えろ」
雨漏りしてる家の中濡れてない木に向かって放った
パチパチ
よく聞く木が燃える音だ
勘が当たったようで良かった
とにかく今はこの夜が明けるのをまつしかなかった。




