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誰が男にしろと言った

初めに、この作品を読もうとしてくれた方、ありがとうございます。

初投稿な上、筆の赴くまま書いてしまったので所々訳が分からなくなっている箇所などあるかもしれません。教えていただければ改善していきます。

また、話のストックが無く投稿が不定期になります。上記を承知の上で読んでくださると非常に嬉しいです。

私は、今年の春高校に入学したばかりのピチピチのJK!異世界ファンタジーと少年漫画を崇拝し、コミュ障かつ人見知りが故に友達がほとんどいなかった私だけど、高校になってから新しいオタク友達ができたの!

彼女は私とは反対で少女漫画が好きな子だったんだけど何故か意気投合!互いの好きなものを見せ合いっこ、語り合いっこしてたんだ!

所が、学校からの帰り道で友達と一緒にトラックの横転に巻き込まれちゃって……!私、一体どうなっちゃうのー!?


異世界!転生しか!ねえだろー!!!キタ━(゜∀゜)━!ふかふかとした柔らかい感触、暖かい何かに包まれていて周囲では複数の人の気配がする。目は開かないし、身体も動かないが、数々の異世界転生物を読んできた私ならわかる。これはきっと赤ちゃんからのスタートパターンだ。

しかし、周りの人達が何を言っているのかが全くわからない。言語翻訳チートはないのか。こちらに気を使っているのか小声で話してるからただのざわめきにしか聞こえないのだが、少なくとも日本語では無い。

突然大きな音がする。木が折れた感じの音だ。それと同時に男の大きな声。1拍置いて、隣から火のついたような泣き声がし始めた。どうやら私の他にも赤ちゃんが居るようだ。抱き上げられたのか泣き声が遠ざかり、私の頬に誰かが触れる。でかくて固い、男の手か?その手は、頬に触れたまま動かない。

なんだって言うんだ、私は精一杯力んで体を動かす。やっとの思いで持ち上がった腕、指先がその手に触れた瞬間、頭の中に何かが流れ込んできた。

『一体、この子はなんだって言うんだ…!』

何?なになになになんで

『お前まさか……その歳で能力を持っているのか!?』

能力って何?生まれながらのチートって奴!?

『チート…?ああ、今理解した。お前の記憶に照らし合わせて言えばそういうことかもしれない。我々の一族は触れたものの思考を読み取れるんだが……なんだ、なんなんだこの記憶は!本当にお前はなんだ!』

いや知らんわ!そんな哲学的なこと急に聞かれてもわからんわ!つーか、一旦落ち着け!思考を整理してこいや!

『あ、ああ、そうだなそうする』

触れていた手が離れる。いつの間にか泣き声は止んでいた。なんだなんだって、こっちが聞きたいんだけれども。


あれだけ赤ん坊の思考を読んでみたいなー。と言っていた旦那様が、ご子息様に触れてから急に硬直し、脂汗を流し始めました。

かと思えば突然手を離し、私の腕の中で泣き腫らした目をして寝ているご子息様の弟様の頭を鷲掴みました。

「何をなさるんですか」

ようやく泣き止んだというのに頭を鷲掴みにされ、またふえふえとしゃくり上げる弟様。それを見て旦那様はほっとした様子で、

「よかった。こいつは普通だ。」

と呟きました。

まるでご子息様が普通ではないというような言い方でしたが、弟様がぐずりだしたため、私はそれどころでは無くなりました。

旦那様は窓際の椅子に腰掛け、なにやら考えるような素振りをなさっていらっしゃいましたが、やがて何かを決心するように深い深い溜息をつき、立ち上がってご子息様の元へ向かいました。


何かが近づいてくる気配とともに、私の手が握られる。先程経験した思考の濁流が押し寄せてくるが、だいぶ整理されていて読みやすくなっていた。

『お前は、この世界ではない所からきたんだな。

そして、その行為は文字通り異世界転生という。正しいか?』

うん。私は地球から……これが正しい表現かはわからないけど、きた。大体意味があってれば大丈夫でしょ。

『私の一族は代々相手の思考を読み取る事ができる能力を継承している。これは血がつながっているならランダムで発現し……まあ、別にこの能力がなくても家は継げる……あまりにも価値観が違いすぎるんだよな……なんといえばいいか……ああ、そっちの世界で言う世襲制だ。能力の有無にかかわらず長男が継ぐことになってる。』

なるほど。だから私は今貴方と会話?できてるのかそれもこの能力のおかげと。都合いいなー。それで、さっき離れた時に会話できなかった事を考えると、これは手が触れてる相手の思考を読み取る能力ってことなのかな?

『そうだな。この能力にはレベルがあって、お前が今使っているのはレベル1、基本的な思考を読み取る。だ。レベル2は深層思考、レベル3は記憶だ。レベル3まで扱えるのは一族多しといえども過去3人ほどしか居ないんだぞ。私はすごいだろう?』

う、うん。凄いけど……すっごい褒められたい欲求ありますね……もしかしてあまり褒められたこと無かった?つか、この能力すっげえチートじゃん。深層思考まで読めたら嘘つけないじゃん。やっぱ異世界転生やばいわー。

『あまり褒められた事ない、だから褒められたい欲求強め……た、確かにそうなのかもしれんな……。お前レベル3まで扱える素質あると思うぞ……って、そうじゃない。何がいいたいかというと、その、だなお前の前世がどうだったかなど関係ない。

いいか、この家に生まれた以上、お前は俺の息子で、この家の跡取りだ。故に、俺はお前を庇護する義務がある。』

ま、まてまてまてまてちょっとまっていきなり情報量が多い。こちらとしてはありがたい事を言ってくれてるんだと思うけど、たぶんめっちゃいいシーンなんだろうけど、ステイ。

まず、貴方はやっぱり今世の私のお父さんなのね。よし、そこは把握した。

が、しかし!私、♂?man?んじゃついてるっつーこと?いやいやいや、ひでえわ。父さんのしか見たことないのに?人生二本目のブツが自分のとか嫌すぎるんだが。

『安心しろ、俺がいる。お前が見る自分のブツは前世今世合わせて3本目だな。』

何が悲しくてテメーのブツを自分のより先に見なきゃいけないんだよ。

あと、跡取りってなにさー。面倒事の予感しかしないんだが。異世界転生物で跡取り転生とか王族転生とかも見てきたが、大抵戦争に巻き込まれるぞ。

前世でも面倒事を回避しようと四苦八苦してきたのに……こうなるのはある意味必然なのか?

『いや、俺が全力で守るからそこは大丈夫だ。つか、面倒事の内容は大体わかってるからあとは回避すればいいだけだ。大丈夫大丈夫。』

どういうこっちゃ?話の流れ的にこいつ私の記憶読んだよな……んじゃ、記憶の中にこの世界と似てるような話があったのかな?

『ああ、お前の言い方でいうなら、乙女ゲー転生だな。』

oh......一番縁がないやつが来ちまった……?まて?

あいつと友達になった時点でもうフラグ立ってた?

一体どの物語なんだよー、今世のパパスさんよ。

『パパス……嫌な予感しかしない呼び方だな……そうだな、お前の名前はシアリーン。作品の名前は……龍のいる世界だ。』

龍のいる世界……シアリーン……あ、あー!友達が渡してきたゲームだ!異世界ファンタジー好きでしょ!って言って!主人公が何人かのの異種族の王子又は高い立場の者達と恋愛するっていうストーリーだったかなぁ?

正直、自分がイケメンと恋愛するのが無理で、でもやってないって言うのはなんか悪いから、話を合わせるために攻略サイトで全ストーリーを見た思い出よ。とりあえずその中で気になったランスロットってキャラは攻略したけど、シアリーンって確かその従者で、攻略対象だったな。だんだん思い出してきたぞ……!

シアリーン、シアリーン……そう言えば双子の弟がなんか悪い奴にこう、色々されてアボンってストーリーがあったような…………は?

『そうだ。このままだとお前の弟……俺の大事な息子のユーリは死ぬところだった。お前の記憶が助けたんだ。感謝する。』

いや、私は何もしてないし……感謝するなら私をここに転生させた誰かに感謝してよ……。

それに、まだ助かったと決まった訳じゃないでしょ?他の乙女ゲーム転生物でも運命の強制力とかよくあるし……。

『心配するな。俺が居れば必ず対応出来る。ゲーム?の中での事は俺の預かり知らないところで起こって居たようだから対応できなかったが、この世界では絶対にそんなことはさせない。お前の記憶の中にある困難は必ず回避してみせる。本当にお前をここに転生させた誰かに感謝する。』

なんだろう、もうパパスが主人公でいいんじゃないの?言ってる……考えてることがどう見ても少年漫画の主人公だよ……。

『いや、俺はただお前の生……お前達の生を良いものにしたいだけだ。子を幸せにしたいと言うのは親として当然のことでは無いのか?』

当然、なの……?ファンタジーってもう少し倫理観が破綻してるかと思ってたわ。

『偏見がすごいな。お前の言うファンタジーにも色々あるだろう?』

確かにそうだ。そして、あくまでもここは乙女ゲームの世界。恋愛がメインであるため、倫理観とか衛生とかをガチの異世界にしてしまうとプレイヤーが感情移入できなくなってしまう。

『だから、なのか。少なくとも俺はこの世界がそんな世界では無くて良かったと思うぞ。』

本当になんなんだこの主人公は。

『とりあえずは、そういう事だ。あとは……その能力を鍛えるには自分の過去のことを思い返してみるといい。思い出して思い出して、その時の心情、匂い、情景まで思い出せたら完璧だ。その歳から始めたらどうなるか、楽しみだな。お前の記憶にあるチート使いにもなれるかもしれん。励め。』

チートってそんなにいい意味じゃない気がするんだけどな……。パパスは手を離して、部屋から出ていった気配がした。

とりあえず大体の状況把握はできた。

ここは乙女ゲームの世界で、私は攻略対象のシアリーン(男)で、双子の弟が居る。

私の一族はたまに人の思考を読み取る能力を持った物が生まれるが、跡継ぎには関与しない。

パパスはすっげえ主人公タイプ。

あれ?そういやパパスの名前聞いてないな。


部屋から出てきた旦那様は、珍しく険しい顔をしていらっしゃいました。

そして私に一言おっしゃいました。

「『朝の雫団』潰す」と。


最後まで読んでくださってありがとうございました!

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