1.モラハラ彼氏
多少メンヘラだと自覚があった自分にモラハラ彼氏ができてしまった。
自分がメンヘラで彼氏依存症の自覚がありならも別れることができず、ずるずる引きずる。
あぁ…さすがに別れたい…。
これは私がおかしいからじゃないよね…?
なんで私怒られているの?なんで謝っているのだろう?
と日々思いながらも、なんだかんだ別れられず過ごしている。
リア充、キラキラ女子に憧れつつ、男運もなくほど遠い恋愛しかできない。
モラハラ彼氏と付き合う日常。
私には1年くらい前から付き合っている彼氏がいる。
彼は職場の先輩で、ここ最近昇格して主任になった。仕事もでき、人当たりがよく、優しく年もまだ30歳になったばかりで若い彼はいろんな人から好かれているし、かわいがられている。
一方私、中嶋莉紗は、自分で言うのもおかしな話ではあるが、歳は20代前半で会社としては若くてかわいい部類に入るのだろう。ただ、新卒同然で入社した為、社会人としてのスキルが足りておらず、あまり仕事ができるとは言いがたい所がある。
また、人見知りな上、初対面の男性には苦手意識がある為、一部の人とはうまく打ち解けていないところがある。
そんな私の入社時に研修を担当したのが今付き合っている彼だ。
優しく、話していると楽しい彼に心を惹かれ、出会ってから約3ヶ月で付き合い始めた。
しかし、付き合って半年ぐらいたった頃、彼がどんどん変わり始めた。
変わったというのは違うのかもしれない。
これが本来の彼だったのかもしれないし、私と付き合ったせいで今のような性格になってしまったのか、正直わからない。
彼は気づいたら、モラハラ彼氏になってしまったのだ。
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『どこで飲んでいるの』
久々に大学の友達と6人ぐらいで集まって飲んでいたら届いた彼からのメッセージ。
もちろん彼には事前に友達と飲み行くことは伝えてあった。そして、正直このメッセージがくるだけで気が重い。
『新宿のお店だよ。大学の友達と飲んでる。』
一応返信したが、久々に友達と飲んでいるので携帯なんか気にしたくない。
『あっそ。』
また送られてきたメッセージをみて一瞬通知オフにしとけばよかったなと思うが、返事が遅かったら更に怒るだろうという事にすぐ気づく。
友達と久々に再会し楽しい時間のはずが、一気に憂鬱になる。
自分の彼女が飲みに行っているのが面白くないし、心配なのはわかる。私にだって理解できる。
ただ、友達は優先していい。だから飲みに行っていい、と言われている。
それなのにいかにも機嫌が悪いというオーラがラインでも伝わる。
『男いないから、心配しないで。』
彼は自分自身に自信がないから私が他の男の所にいってしまうかもしれないが事が不安だ、嫉妬する、心配するからこういうこと言うんだと、よく口にはするので、まずは男がいないことをきちんと報告する。
『そんなの俺にはわからない。』
…いや、それはそうなんだけど…!
正直何を言ったって不機嫌であることには変わらない事はわかっているから、面倒くさいと思ってしまう。
友達優先していいといっているのに、全然友達との会話に集中できない。
再度になるが返事が遅くなっても余計怒るし。
『私が通っていた大学、ほぼ女子大なの。本当に男いないし、なんなら写真送る?』
私の通っていた大学は家政系の大学であり、元々女子大だったのだが、私の一つ上の学年から共学になったばかりなのである。学科が家政系ということもあり、共学になったといっても殆どが女子だった。9割女子だったのだ。加えて冒頭にも述べたが、私は初対面の男性には苦手意識があり、加えて大学生の頃は今以上に人見知りが激しかった。
1割しかいない男への激戦区な大学で私が男友達がつくれている訳がないのだ、悲しくなることに。
『いい、いらない』
-じゃあ、納得してくれ…!
切実に思う。
「ねぇ、莉紗。大丈夫?さっきからずっとスマホいじってるけど。」
一人で悶々とスマホと睨めっこしていたが、友達に不意に声かけられて我に返る。
「あ…ご、ごめん。彼氏が今日何時に帰ってくるのかって聞いてきて…!
今日うちに来ているから。せっかくみんなで飲んでいるのに、ごめんね。」
全くだ。
この人数で社会人なのにみんなで時間合わせるのは正直大変だった。
友達は接客業をやっている人や、私みたいにオフィスワークの人が入り交じっている為、接客業組は全員早番もしくは休みであり、オフィスワーク組は残業とかで遅くならなそうな日でなおかつ遅くなりすぎないように解散できる日を合わせるのは大変だった。
特に私は社畜で21時帰社が多いし。
そんなメンバーが集まれたからこそ、みんなで楽しく飲みたい。
正直スマホの電源落としてやりたい。
だが、友達は大切にしろといいつつ、嫌みや文句を言い続ける彼を無視できない。