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悪役令嬢だけが俺の救世主  作者: 朝木 夕
1/1

婚約破棄をしたら記憶戻ってハーレム要因になりそうな件

なんとなく思い付きではじめてみた

「ビクトリア・メイ・イスマイル!貴様との婚約をここで破棄する!!」


金髪碧眼長身のいかにも王子風の男が怒りの形相でビクトリアと呼ばれた女性を睨み付ける。


場所は豪華絢爛な大理石の巨大なホール。

贅を尽くした料理に華やかに香るシャンパン、そして優雅な音楽に飾られたパーティーホールであったが、今は王子風のこの男。


リミテア王国第一王子、アロク・レイ・マクグラス王太子殿下の一言で全てが台無しになる。


ビクトリアと呼ばれたドリルツインテールの令嬢を取り囲むのは憎悪、嘲笑、奇異の目を向けるつい先ほどまでビクトリアに媚びていた者達だ。


そして王子の後ろにはか弱く清純な出で立ちの少女とそれを守るように取り囲む容姿端麗な四人の男達。


「なっ…!!わたくしは…!」


ビクトリアが何かを言う前に、更に追い討ちをかけるように言葉を続けようと前に一歩出て不思議な既視感に襲われ、少しふらつくがなんとか耐える。


「アクロ様…?」


清純そうな少女が心配そうに声を掛けてくる。


「こ、れは…?」


思い出した。


「おい、アクロ!大丈夫か!?」


清純そうな少女を取り巻いていた赤髪の筋肉質な男が駆け寄ってくる。


普段ならそんな気遣いもありがたいとは思うが今は鬱陶しい事この上ない。


大丈夫な訳あるかああああああああああ!!!


これは所謂乙女ゲーの断罪イベントである。


そして、これがなんという乙女ゲーで今後の展開がどうなるかなんて事は一切知るところにない。


だが、現状が最悪だと言うことは分かる。


なぜなら、これは間違い無くハーレムエンドのルートであり、自分が攻略対象の一人であるからだ。


そしてハーレムエンドだと確信する材料はアクロとしての記憶の中に全てある。


まず俺は、そこの清純そうな少女、リリア・メイベルと人目も憚らずイチャイチャしまくった。最悪だ、吐きそう。


そして隣に駆け寄ってきた赤髪の筋肉質な男、ハワード・ロレンツォ侯爵子息。


こいつは俺がリリアと結婚した後でリリアの側室として迎え入れる事を約束している。


勿論、後ろの三人のイケメン達もだ…。


因みにこの世界で多婦といのは一般的ではないが王子の権限でなんでも有りだ。


どうすりゃいいんだ…この状況は…


絶望の目で前を見ると、同じく絶望的な表情のビクトリア・メイ・イスマイル公爵令嬢がいる。


ハハ…悪役令嬢は絶望の表情でもなんか気高く見えんのな…お前はこれからどうなるんだ?俺なんてこらからハーレム要因1号やぞ?


とか変な張り合いが浮かぶが明らかに酷い目に合うのはビクトリアだろう。


いや…まだだ…俺は諦めない…!今ならまだ間に合う!!気がする…

俺は足に力を入れてしっかりと前に進み出て声をあげる。


「と、言いたいところだが、まずはビクトリア!この状況に陥ったお前の落ち度はなんだ!!」


全力で責任転嫁だっ!!


一度冒頭の前の話に戻るが、今この状況というのは、雌豚ビッチリリアがここ、リミテア国立魔導学園に転入してきた所まで遡る。


この学園は三学年あり、15歳からの魔力適正を持つ貴族が入学する学園であり、魔力は血に宿るとなんとかで平民に開かれた門では無いのだが、たまたま魔力の適正を見出だされたリリアが2年の春に転入という形で入ってきた。


そして俺はリリアの貴族には無い天真爛漫な性格にチョロリンとやられ、更には友人達四人もチョロリンチョロリンされて将来この国のトップ候補5人は脳内お花畑にされた訳だ。


それをビクトリアがリリアに対して咎めたり妨害したりあの手この手や陰湿な事から大胆な手まであらゆる工作をしてきたが、先日遂にリリアに対して殺人未遂を犯すという暴挙に出たのだ。


なんでも死の呪いの掛かった呪具を送り付けて呪いに掛け、もう少しで死ぬかもしれないとい所を俺たち脳内お花畑レンジャーが、天使の涙という伝説のアイテムを入手して九死に一生を得たとかなんとか…。


因みに呪具を送ったのがビクトリアだという証言があり、今回の断罪に至ったのだが、証言者の生徒Aちゃんは証言後消息不明で、もともとどこの学年のどのクラスかも不明という今考えれば信用度の低い怪しい情報である。


「わ、わたくしは…やっていません!!」


冷静になって思うけど、公爵令嬢が平民一人殺した所でこの世界では問題にすらならないはずなんだけどな…。


「やったか、やってないかはどうでもいい!!貴様の落ち度を聞いているんだ!!」


よし、話を進めようか。

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