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絶対に逃がしませんと、わたくしに抱き付いたお母様を、お姉様達が引き剥がし、いつの間にか修理された玄関を通り家に入った。
「お母様、今日はもう遅いですし、あの子も疲れて記憶の整理も出来ていないはずですわ。あの子には、お風呂に入って貰い、明日改めて話を聞きましょう?」
「うーん、あまり納得できないけどいいわ」
「では、お母様、明日改めて話を聞くためにも打ち合わせをしましょう? 当然、フリージアも交えてね?」
「? フリージアはしゃべ…もがもが」
「お母様? それは、今は秘密です。いいですね?」(ボソッ)
(コクコク)
「プハァ」
お姉様は、お母様の口を塞ぎ、何か耳打ちをしお母様が頷くのを確認して、手を放す。
そして手を叩き、"パンパンッ"と小気味良い音の合図をすると、どこからともなくスゥっとメイドさんが現れた。
「お呼びでしょうか? お嬢様」
「あの子をお風呂に連れていってあげて」
「畏まりました」
「それでは、お風呂に行きましょうかお嬢様?」
いつの間にか増えていたメイドさんと共に、わたくしの脇に腕を通し、がっちりホールドすると、わたくしはまるで、捕獲された宇宙人のようにお風呂へ連行された。
「お召し物をお脱ぎ下さい。それとも、剥ぎましょうか?」
無表情かつ、冷めた声でそんなことを言われ、何か貞操の危機のようなものを感じたので、身体を覆っていた鎧を解除し、メイドさん達に裸体を晒した。
やはりいつの間にか増えていた、なんかヤバい雰囲気のするメイドさん達(ホワイトプリムを残して、いつの間にか全裸)4人に囲まれ、浴室に行った。
「こちらにお座り下さい、お姉様」
そう言い、メイドさんが示したのは、座面中央にU字の溝があるバスチェアであった。
(えっ…こ、これってスケベ椅子じゃ…)
目の前にある椅子の形状に、一抹の不安を覚えるも、座れるものは目の前のスケベ椅子しかなく、仕方なくその椅子に座った。
椅子に座った後、髪を洗おうとしたがメイドさんに止められた。
「わたくし達がお洗い致しますので、お姉様は何もしなくて大丈夫でございますよ」
メイドさん達の手で丁寧に髪が洗われ、その気持ち良さで思考がトロっととろけ始め、いざ身体を洗う段階になったところで、問題が起きた。
突然、メイドさん達の息が荒くなり、"ハァハァ"言い始めたのだ。
そして、いつの間にか用意された、桶に入った明らかにヌルっとしてそうな液体を手に纏わせ、ワキワキとイヤらしい手付きで、わたくしの身体を洗い始めた。
「そ、そこは、自分で洗うからダメ…」
「大丈夫ですよお嬢様、わたくし達にお任せ下さい……ハァハァ…」
「あっ、…んっ………んぅ…」
わたくしがこの身体になってから、一度も触れていない敏感な女の子の部分も含め、どんなにガードしようとしても、メイドさん達は巧みな手さばきでガードをすり抜け、わたくしは全身をくまなく、そうくまなくピカピカに磨きあげられた。
そして、その場には身体を紅く火照らせ、ハァハァと肩で息をするわたくしと、どこかやりきった表情で、肌が艶々したメイドさん達がいた。
その後、湯船に浸かり身体の芯まで温まった後、やはりどこか息が荒いメイドさん達に、身体を隅々まで拭かれ、どんな家にも必ず1つは有ると言われる、髪を痛めずに乾かすことができる櫛型の魔道具で、丁寧に髪を乾かして貰った。
しかし、服を着る段階で、メイドさん達の息が更に荒くなり、イヤらしい手付きで下着を準備し始めたので怖くなり、鎧を装着した。
「…もう少しで、おぱーいをモミモミ出来たのに」(ボソッ)
「チッ…ショーツに染みが出来たら、それを理由にもう一度お風呂で身体をまさぐれたのに」(ボソッ)
「……もっと弄り回したかったのに」(ボソッ)
「……もっとクンクン、ペロペロしたかったのに…」(ボソッ)
メイドさん達から、ボソボソとヤバそうな恨み言が聞こえ、鎧を纏っていなかったらどうなっていたのかと、改めて貞操の危機を感じた。