7
7
取り敢えずわたくしは、お姉様達と家で話合うことになった。
「ヨシ! 白百合隊、撤収するよ!」
「「「…畏まりました」」」
(((…スゥ…)))
「警備隊の皆様、ご協力ありがとうございます。魔王種の件は、解決はしていませんが、ある程度決着は付きました」
お姉様の言葉に、仮面メイド達がお辞儀をし、溶けるように姿を消し、警備隊の長と思われる壮年の兵士は、その光景に顔を引きつらせつつ、わたくしの顔を一瞥すると一変して納得したような顔をした。
「そういうことか?」
「えぇ、そういうことよ」
二人の会話の意味が分からず、首をかしげるとイオニアお姉様は愛情を"ツー"っと垂らし、警備隊長は顔を赤くして反らした。
「と、兎に角、何か問題が起きたら我々にも相談してくれ。可能な限り力になる」
「ありがとうございます。でも、大丈夫だと思いますよ。お母様もお婆様も居りますので」
「そうだな、あの方達なら問題無いな。よし、お前ら! 詰所に戻るぞ!」
「「「応!!」」」
「あらあら、相変わらず、体育会系ですわね」
「そういう、そっちは暗殺者集団みたいだぜ?」
「本職ですもの」
「マジかよ、聞きたくなかったぜ」
--------------------
警備隊の人達とは、途中街の門をくぐった所で別れ、わたくしは、スノーサイド公爵家領地の中心都市"ローエングリン"、その領主の館に"帰って"きた。
館の敷地に足を踏み入れた瞬間。
"バンッ!!"
と大きな音が響き、玄関の扉が内側から勢いよく倒れ、小さな人影が飛び出してきた。
飛び出してきた人影は、わたくしの胸に顔を埋めると、"スゥ、ハァ"と大きく息を吸い、匂いを嗅いだ。
「わたしのアリシアちゃんに混じって、知らない魔力がするわ。あなた、何者?」
わたくしに抱き付き、上目遣いでそう問い掛けて来るのは、身長140cmくらいのツインテールで、フリフリの魔法少女衣装が似合うお母様でした。