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今日から妾は、王都にある学園に通うことになるらしい。
ママ様と母様が、王様に対して権力を振りかざし、無理矢理捩じ込んだらしい。
らしい、らしいと繰り返しているのは、あまり理解出来ていないからじゃ。
それに、妾の入学は完全に裏口入学のそれじゃ。
それを聞いた日から、アリシア姉様が時々お腹を擦っているのを見掛ける。
アリシア姉様曰く、妾には拒否権がないらしいので、抱き枕にされることを甘んじて受け入れているのじゃが。
今日のアリシア姉様は、いつもの動き易そうな服装ではなく、どことなくブレザーっぽい服を着ていた。
「アリシア姉様、それが学園の制服なのじゃ?」
「そうですわ。尻尾を通す為に改造しましたので、怒られないか心配ですわ」
「あらあら、大丈夫よ。尻尾穴を空けるよりも、下着が見える方が問題ですもの」
いつの間にか側に立っていた、アルカナ姉様がアリシア姉様の不安に答えた。
「アウラちゃん、あなたもお着替えの時間よ?」
「着替えもなにも、妾は制服を持っておらんのじゃが?」
「あらあら、まぁまぁ、なんでそんな嘘をつくのかしら?」
「い、いや嘘はついておらぬよ、アルカナ姉様」
「だって、あなた服くらいコピーできるでしょう?」
「あっ、あぁ……確かに出来るのぅ。すまぬが、アリシア姉様、制服をしっかりと観察させて欲しいのじゃ」
「いいですわ。でも、恥ずかしいのであまりじろじろ見ないでくださいまし」
「それは出来ない相談じゃの、じっくり見ないと綻びが出てしまうのじゃ。ふむぅ…ほほぅ………黒のレース…セクシーなのじゃ」
「どっ、どこを見てるんですの!」
顔を真っ赤にしたアリシア姉様が、スカートの前を押さえたため、桃源郷が見えなくなり、妾は渋々制服のスキャンを再開した。
制服のスキャンが終わり、制服に着替える(?)ため、肌着を残して服を脱いだ。
妾の下着のお尻に描かれた角ウサギのバックプリントを見て、小さな子供を見守る母親のような表情になった姉様達に言いたい、この下着を選んだのはあなた達だと。
「ふぅ…変身、のじゃ」
妾のかけ声とともに、身体を極細の触手が覆い、瞬きする間に制服に変わった。
「ところで、そのかけ声は必要なんですの?」
「気分なのじゃ」
「あらあら」
何故か、残念な子を見るような目で見られたのじゃ。




