道の先は(ハッピーエンド③)
光の道が導く先に気がつけば、ペティは走り出していました。悩むより走る方がペティの性に合っていたのかもしれません。
走り抜けた先には今まで会ったメンバーが全て揃っていました。
「お、今回の主役が登場だ」
誰かが茶化すようにそう言いました。
「白ウサギ! ようやく来たか!」
王座には王がふんぞり返っていました。その横にアリサと驚くほど似ている真っ赤なドレスを着た女性がいました。
「アリサ?」
ペティは恐る恐るその女性を見ます。普段のアリサでは考えられないほど、白い肌。そしてほっそりとした指を見てペティは後ずさりました。
「ペティ」
その時後ろからアリサの声が聞こえました。ペティは飛び上がるほど驚き、後ろを振り向きました。そこにはアリサが仁王立ちで立っていました。
「この寂しがり屋の私のウサギが、大人しく家に帰るとは思っていなかったけど、まさかそんな姿になってまでも私を追いかけてくるなんてね」
アリサは呆れたように首を横に振りました。そしてペティの腕を掴んで引き寄せました。アリサの周りはうっすらと光っています。
「ほら、『ペティ』帰ろ!」
後ろを振り返ると、今まで出会ったメンバーが慌てているのがうっすらと見えます。そうアリサが手を引っ張った瞬間にペティは浮かび上がっていました。
「ごめんね。『白ウサギ』はもういらないの。だからあちらの世界に戻って」
後ろを見ていたペティは慌ててアリサの顔を見上げます。アリサの顔は悲しげで、それでも笑っていました。
『わかりました。あちらの女王様の面倒も見ないといけませんし、あなたはこのウサギに任せるとしましょう』
ペティの口からは勝手に声が出ていました。言葉が終わったとたんにペティの体がウサギに戻っていきます。その躰をアリサが抱きかかえました。
「おかえり、私のペティ」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「ペティ、そろそろ起きなさい。お昼ご飯を食べないと」
ペティはアリサの優しい声で起きました。
ペティはキョロキョロと辺りを見回します。どうやらアリサの物語を読む声のなか、アリサの膝の上で寝てしまっていたようです。
アリサはペティを足元に降ろすと、ピクニックの準備のために走り出しました。
ペティも慌てて走り出そうと脚を踏み出します。
『あの子をよろしくね』
どこか聞き覚えのある声が、ペティに届いたかのように感じました。しかしウサギのペティは首をかしげると、アリサの居る方に慌てて駆け出しました。そんなことより、ご飯を食べたかったからです。
持ち主が消え、風に揺れるハンモックの上に残された本には『ウサギ IN ワンダーランド』という題名が書かれていました。
これにて閉幕です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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