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雑記1

壮大に何も…

「井の中の蛙、大海を知らず」この言葉を聞いたことがある人は多いだろう。

小さな世界に閉じこもり、外に大きな世界があるということを知ることなく一生を終えていく、すなわち狭い狭い知識でしか物事を考えれず、大局を見ることができない、そういう意味で使われるこの言葉だが、果たして大きな世界を知ることがいいことなのだろうか。

たとえ閉じられた狭い世界であっても、そこが守られた世界で自らがこなすべき役割があるのなら、わざわざ危険が渦巻き帰ってこられるかも分からない、広い世界に出て行かないという選択もありなのではないだろうか。

それも、恐れるべき強者がいるならなおのこと、知るべきではない悪夢があるのならなおのこと。



この世界において人類という種族は、間違っても食物連鎖の頂点などではなくなっていた。

それというのも、現在の暦「閉歴」が始まる数十年前から加速度的に発生件数が増えていったとされる異変の数々、それが原因であると記録されている。

野生生物の狂暴化や巨大化に始まり、急激に増加する新種生物の報告、一部の生物のみが極端に重度の症状を発症する感染症が蔓延し、ほかにも大きな自然災害が立て続けに発生、そして後に「魔素」と命名されることになる新物質の発見・・・

細かく上げればきりがないほどの数の異変がたった三十数年の間に起こり、人類を、いや世界そのものを「文字どうり」変えてしまったのだそうだ。


三十年間の変化は三つの段階を経て現れた。

最初に、小規模な異変から始まり終わる気配すら見せず立て続けに起こる、そのうちに規模までもどんどんと大きくなって行き、処理しきれなくなった異変によって人類が急速に消耗していくことになる、それが最初の十年の間に起こった。

次に、国家や企業、あらゆる支配体系がその消耗からもたらされる混乱の中で崩壊していき、新たな形で再構築され「閉鎖都市体制」に落ち着いていくこととなる、、ここまでで二十年。

最後に、人類が仮に「魔物」と呼ぶことにした新種生物たちに対抗するための研究の成果として、皮肉なことに魔物由来の新物質「魔素」が発見され運用されていく、そして三十年。

結果としては、人類は消耗しきった状態から、魔積極的な素技術の運用や閉鎖都市体制の実施などによって生活圏を守ることに成功したのだ、人類を滅亡においやりかけたものの力を利用するという非常に危うい形ではあったが。


当たり前だが失ったものはとてつもなく大きかった。

少なくとも、異変発生前の人口の八割以上と多くの資源地帯、そしてなによりも「生態系の頂点」という立場を失った、もはや人類は被捕食者なのだ。

それでも、そんな過酷な世界でも、人はそれなりに幸せに暮らせるように技術を磨き、適応してきていた。

もう200年以上も経ったのだ、人もまた進化する。



閉歴232年 閉鎖都市「カラカラ」にて

ここ、閉鎖都市カラカラは閉歴後期になってから作られた都市であり歴史は浅い。

その分、対魔物用の防壁も性能の高い新型が採用されているのだが、都市周辺には危険度すらわかっていない未知の部分が大半であり、決して安全とは言えない。

事実、新設された都市の六割以上が40年以内に消滅しているという統計データがあり、新設された都市に進んで移住する者は多くはない。


しかし、なにも悪い話ばかりというわけではない。

新しくできたばかりというは、言い方は悪いが成り上がるチャンスも多くあるということであり、自身の実力に自信がある野心家たちは、むしろ積極的に移住しようとする。

また、運が良ければ都市周辺からから「閉歴以前の発掘品」が見つかり、それの技術の模倣によって都市が急速に発展する可能性もあったりするので侮れない。


それはともかく、閉鎖都市カラカラでは都市建設から今年で40周年となる。

そのため都市全体がいつにもまして活気に満ち溢れていて、道行く人々の顔も明るい、都市の外には魔物という化け物がいるということを感じさせないほどに。

親に菓子を買ってくれとねだる子供や、幸せそうに身を寄せ合っている男女、屋台の射的を二十回以上もむきになってやり続けている女性、注意の声を飛ばす警備員らしき男性、さまざまである。


しかし祭りの日、それが予定されていた「祭り」とは違うものになることなど、この都市の住民は誰も知らなかった、そして祭りの開催時刻はゆっくりと近づいていく・・・

始まらない!

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