『山伏と白い鳥と白プレスマン』
掲載日:2026/08/12
ある山道を、山伏の一行が歩いていました。日も暮れ、月もなく、道に迷ってしまったものか、行けども行けども、人家も見えず、知ったところに出ないのです。しかし、谷川の音が聞こえますので、そのまま進めば、ふもとには出られるのでしょうが、どうにも不安でたまりません。
しばらくすると一行は、滝壺に出ました。滝の音は聞こえますが、滝そのものは暗くて見えません。しばらくそこで休んでいますと、何やら、白っぽい鳥が、ぼんやり見えてきました。普通、鳥というのは、夜目がきかないものですが、どうも、この鳥は、見えていそうです。何やら、ついてこいというような仕草をするので、尾につかまらせてもらって、一行は、一列になって進みますと、一刻ほど歩いたところで、ふもとの寺に着きました。先頭の山伏が、白い鳥をねぎらおうとすると、そこに鳥はおらず、山伏の手には一本の白プレスマンがありました。
教訓:速記者が速記を書いているとき、プレスマンに導かれるような感覚に陥るというのは、こういうことであろうか。




