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私、不倫を始めます。  作者: 月井


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6/6

ホワイトデー①

 私にとって西山さんと関わってきた日で一番濃いバレンタインデーを過ごした後・・・

 毎日の仕事の中で関わりが減ってしまった。


 電話とっても西山さん宛の電話でもないし、

 FAXがきて急いで撮りに行ってもただの広告だったり、他の人宛のFAXだったり・・・。

 西山さんが研修で一日留守だったり、平日休みがあったり・・・。

 ハズレばっかりでがっかりの毎日を過ごして西山さん不足が続いて今にも餓死しそうだった。


 そしたらすぐにホワイトデーがやってくることに気づいた。

 しかもホワイトデーもバレンタインデーと同様、土曜日だった。

 それに気づいた私はすぐに勤務表をチェックすると、私は「出勤」で西山さんは「休」になっていて私はかなりショックを受けた。

 まぁでも、ホワイトデーをくれるなんて期待もしてないし、な。と思ったけど、ホワイトデー過ぎた後でも何かくれるんじゃないかと心のどこかで期待していた。


 ホワイトデー当日、西山さんが出勤しないホワイトデーなんて面白さやキュンキュンも期待ないただの平日と同然。と思いながらダラダラと朝の準備をして、いつもより道は空いているので時間ギリギリまで家でコーヒー飲んでいた。

 恋人がいる人はきっとホワイトデーを楽しみにしてきたんだろうなぁ。なんて思いながら家を出て職場に着いた。


 自分のデスクについて、お昼ご飯のお弁当を引き出しの一番下に入れるために私は頭を下げて引き出しの中にお弁当やらを入れていたら

 頭上から声が聞こえた。


「これ。」


 ん?と思って頭を上げるとそこには西山さんが立っていた。

 私は驚いて

「わっ!!びっくりした!」と言いながら顔が真っ赤になるのがわかるくらい顔が赤くなった。


「これ、ホワイトデー。ほら!他の人に見られる前に早く隠して!!」となぜか急かされて私は「あっ、ありがとうございます!」と言って赤い小さな紙袋を受け取って引き出しの中に急いで入れた。


 すると「ホワイトデー、こんなのでごめんね。ちょっとしか入ってないお菓子だから仕事中にでもおやつとして食べてね。バレンタインデーありがとう。」と西山さんは私の顔を見ながらニコッと笑って自分のデスクに向かって行った。


「もう、犯罪だ。これは罪だ。重罪だ。えっ?ていうか、今日休みじゃなかったっけ?どうして出勤?」この一瞬でいろんな情報と感情が動いて私はプチパニックになった。

 私はパニックなってることを感じられないように平然を装って仕事を始めた。始めたというよりパニックになってるので仕事してる風だ。何も仕事は捗っていない。

 仕事をしてる風を見せながらも私は引き出しの中に宝物が入っていることが嬉しくてマスクの中でニヤニヤを抑えるので必死だった。

 西山さんから見えるところでホワイトデーを開けるのも恥ずかしかったので、西山さんが席を外すのを待っていた。

 1時間くらい仕事してる風を続けていたら、入居者さんの後藤さんが事務所にやってきた。

「ケアマネの西山さんは今日出勤してますか?」と言ってきたので、「あ、出勤してますよ」と答えて

「西山さん、後藤さんがお呼びです。」と西山さんに声をかけると

「ん?あぁ、はいはい」と言って西山さんが後藤さんを連れて事務所を出た。


「今だ!!!!!やっと席を外した!!今のうちにホワイトデー見てみよう!」と思い、引き出しを開けて小さな赤い紙袋を取り出した。

 紙袋の中には小さな箱が入っていて、裏面を見てみると有名なお菓子メーカーのクッキーだというのがわかった。

 この有名なお菓子メーカーはどのお菓子も美味しくて、ハズレがない。

 しかもいちご味だったり、パッケージもピンク色でお花や猫の柄がついていて可愛かった。

 私はなんだか恥ずかしくてニヤニヤが止まらなかった。

 こんな可愛いの買ってくれたんだ・・・。あのクールな西山さんがこんな可愛いのを選んで買ってくれたんだ。

 西山さんが可愛いのを選んで買ってるところを想像するだけで私は恥ずかしさと嬉しくて仕方なかった。


 あっ・・・でももしかしたら西山さんが買ったんじゃなくて、西山さんに頼まれて奥さんが買ったのかもしれない。

 とふと頭の中で冷静さが弓となって私の幸せを木っ端微塵にした。

 そか。そうだよね、こんな可愛いのを西山さんが買うわけないよね。奥さんなら可愛いの見つけて買う可能性の方が十分高いよね。

 私は両手で大事に持っていたホワイトデーの箱をそっと紙袋に入れて引き出しに戻した。

 マスクの中のニヤニヤの口はすっかり「へ」の字になっていた。


 現実に戻ったところでちゃんと仕事をしようと思った瞬間、西山さんが事務所に戻ってきた。

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