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……お風呂!!

9話目でございます。

私は、イザリア・キャンベラ”27歳女性、独身……毎日が生きるために必死で彼氏どころじゃなく、仕事もオシャレも食事すらもまともに出来なかったのが現状だった私だ……。


 ある日、突然人間の治癒が皆無になり……人々から忌み嫌われ、国を飛び出し森を彷徨い、逆に魔獣や魔族を治癒出来るという能力が備わっている事を後から知った。

 私自身にとっては嬉しい誤算と言うべきか、治癒師を辞めないで良かったと思っている。種族は違えど、役に立てる事が分かったからだ。

 それに仲間も出来た。私を慕ってくれるなど初めてで照れてしまうが、頼もしい魔獣3匹とダークエルフにミノタウロスと言う異色!?なパーティーが成立した。

 しかし私は、その辺の冒険者よりはこのパーティーなら強いと自負している……私を除いては……ねw


 私達はシザーズスコーピオンのドルクの背に乗り、アルミラの故郷であるダークエルフの村を出発して魔都を目指していた。そこで皆の装備や備品・食材等を揃えたいと考えていたからだ。


 向かっていると言っても、道中まだ1日しか経っていなくて、距離的に後6日はかかりそうだ。ドルクに乗って移動しているので、気持ち早めに着きそうではあるけど油断は出来ない。周りは人間なんて居ないし、魔獣だらけなんだから警戒するに越したことはないかな。

 かと言って、緊張しっぱなしも倒れちゃうよね。う~んこれは長旅だわ……急いでる訳じゃないから良いけどね。


「一旦、この辺で休憩しよ。ドルクも休ませてあげなきゃ。」


「そうだな、小休止しよう。この辺なら良いんじゃないか?」


 私達は少し広くなった場所に休憩する事にした。ドルクも地面にお腹を着けて休んでいる。早速皆に水を飲ませる、それぞれが勢いよく飲み干す。いやぁ、収納スキルサマサマでしょ。当分の水や食材を確保出来て、しかも大荷物にならない!これはチートだよねぇ……辞められない止まらないわぁ。


 まだまだ森は抜けられないみたい。抜けるには後3日はかかるとアルミラが言っていた。この森はかなり広大な広さを有していて、この森が真ん中に位置しているお陰で、魔都が繁栄し魔族等も人間に脅かされずに済んでいる。その森の日差しが、木々の葉の隙間をくぐり抜けて地面を照らしていた。お陰で松明までは要らないから、日中は助かっている。


「ね、アルミラとアルバスは魔都に行った事があるの?」


「アタシは3回かな。あんたは?」


「俺は……そうだな……闘技場で闘っていたからな。」


「えっ!アルバス、剣闘士か何かだったの?」


 いや、驚いた!そりゃ強いよねぇ、道理であの大蛇の時も動きが良いなぁと思ったんだよね。まして、ダークエルフのエミラさん達の護衛もしてたし……。


「そうだ。3年位かな、何度か優勝もしてるがたいして自慢にはならん。まだまだ強い奴はゴロゴロと居たからな。」


「いや、でも何度か優勝してるって凄いじゃない!優勝するだけでも大変だと思うけど……。」


「たまたま弱い奴しか居なかっただけだ、俺が勝てなかった奴と闘った時には散々思い知らされた。だから、もっと強くなりたいと引退したのさ。」


 え゛?それ以上強く……?ま、まあ目標がある事は良いことだよね……。


「それで、街の中はどんな様子なの?」


 私は話を切り替えた。闘技場がある事は分かったから……街の様子を聞いてみよ。どんな雰囲気なのか?


「そうだね、活気があって魔族や魔獣も往来してる。宿や店も結構あるぞ。」


「そうだな、勿論領主である魔王城もあるがな。」


 へえ、2人の話だと人間の国と変わらない位盛んな街みたいだね。唯一それが人間か魔族かの違い位か……。


「じゃ、色々準備出来そうだね。ただ私が街に入れるかどうか……。」


「いや、大丈夫だと思うぞ。メリル達も連れているし、いざとなったら俺の顔もあるしな。ヴモッホッホ。」


「あ…あはは、それもそうか頼りにしてるね!」


「任せてくれ。」


「アタシもイザリアが行きたい店があったら案内するぜ。あと、フードで顔を隠すのも良いかも。」


「ありがとう、アルミラもよろしくね!」


 良かった、アルミラやアルバスが居なかったら魔都に着いたら間違いなく牢獄が瞬殺されるとこだよね……ないわぁ。


「さて、そろそろ出発しようか?」


 私達は頷きあって移動を始めた。

 まだまだ道のりは長い。茂みを草を木々を……いや、掻き分けてじゃなくて薙ぎ倒して……かな?魔都の方角へと進んで行く。途中大きな川を渡ったりもした。ドルクに乗れて良かったと改めて痛感した。何故なら泳ぎは全くの苦手……それなりの幅広い川だったので、溺れたら私は一貫の終わりだ。

 ドルクに感謝しつつ、途中水分を補給してもらいながら移動していた。

 途中食材も確保しながらだから、距離が進んでいるのか微妙に分かりづらいんだけど、まあその内着くでしょ。

 周りが薄暗くなって来たね……日が木々の隙間を埋める様に陰って行く。

 あまり暗闇の中を移動するのは好ましくない。魔獣も活発になるし、進む方向を迷うのも困るし。

 今日はこの辺で野宿だね。


「今日はこの辺で野宿しようか。」


「了解。」


「おう!」


 ドルクが進むのを止めて皆を降ろした。まずは、直ぐ後ろ側の倒した木々を一部薪にして収納し私達が休めるスペースを確保する。

 そのあと、それぞれが食材調達や警報を設置したり私は薪を燃やして焼き物の準備を。何か段々、皆慣れて来てない?滅茶苦茶手際が良いんだけど。

 汁物も作りたいんだけど、鍋が無いから無理なんだよね……その辺の日用品も魔都で揃えないとな……。

 取り敢えず、肉と魚に味を付けて焼き、果物と葉物を綺麗に洗って切り分ける。こんな簡素な料理?でも、おかわり連発で大変だけど何か嬉しい……喜んで貰えるのって……良いねw

 片付けをして、寝る準備をする。そう言えば湯浴みしてないな……気になりだすと余計に考えちゃうし……。


「ね、アルミラ。見えない所で湯浴みしない?」


「あぁ、そうだな。確かにそうしたいが……場所と水はどうする?」


「だよねぇ……。」


 う~ん、我慢するしか無いのかな……何か段々切なくなって来た。


「キュル?」


「ドル?」


 ジュエラとドルクが心配して私を覗き込んで来る。


「ああ、ごめん。湯浴みが出来ないから、切なくなっちゃって……。」


 私はジュエラを撫でながらそう話してた。


「せめて、大きな四角い入れ物に水を溜める物が作れればねぇ……。」


「キュル!」


「ドルッ!」


 え、何?ジュエラとドルクが何かを閃いたかのように、薙ぎ倒して来た木々を集め始めた?確かに一部は薪にして収納してるけど、一体何を……。

 すると2匹がとんでもなく想定外のことをやりだしたのだ。

 ドルクが集めた木々を根っこ側と枝側を当分の長さに切り、丸太を敷き詰めて並べる。その隙間を埋める様にジュエラが粘着の糸を木々の間に塗り込んでいく。次に長さを合わせて切った木を縦に積み重ねて、それをジュエラが粘着糸で接着していく。四方を囲い、角も接着し7m四方の巨大な簡易枡が出来上がったのである!


「す……凄い……。」


「お、お前ら……凄すぎだろ……。」


 いや、2匹でグッドポーズって!何処で覚えたの浴槽を?しかも即席とは言え、作っちゃうなんて……なんて素晴らしい子達なの!!

 よ、よし、じゃあ別に収納しておいた川の水を少し流してみてと……おおお!水が漏れない!凄い!なら、どんどん流して……と、ちゃんと溜まっていく……期待しちゃう!無事に枡に水が溜まって落ち着いた。


「ジュエラ、水の中に火を入れてくれる?」


「キュルッ!」


 ジュエラが糸を何本も水に入れて導火線の様に火を放つ。それが水に溶け込み、湯気を立ち上らせた……。


「すげえじゃん!」


「とんでもないなお前たち!まさか、風呂を作っちまうなんて……。」


 アルバスも感心していた。魔獣がこんなに器用だとは………いや、うちの子達だけ?

 ま、まあ、周りはちょっと怖いけど、アルバスに焚き火を頼んで見張りをしてもらい、私達は簡単ではあるけど身体を洗って湯船に浸かる…………。


「あああ、気持ちいい……しみるぅ………。」


「おおお、こんな所で風呂に浸かれるなんて……癒されるぅ……。」


「キュルゥゥゥ。」


「ガルゥゥゥ。」


「あはは、メリルとジュエラまで。あ、でも2人とも水は大丈夫なの?」


 へ、グッドポーズ……あ、そう。大丈夫なんだ、へえ……。

 《トライデントパンサーのレベルが8になりました。フレイムスパイダーのレベルが8になりました。それぞれ進化を開始します。》


 えぇぇっ!ちょっと待って!ゆっくり湯船で癒されたい時に進化開始って言われても!!

 わぁ!2匹が光っていくぅ!………。


 《トライデントパンサーがライジングトライデントへ進化しました。フレイムスパイダーがファイアアラクネに進化しました。》


 ……う……うっそぉ!メリルがトライデントの尻尾が3本になって、角が2本生えた……でもって、ジュエラが上半身女性の人型が出てきて……た、確かにアラクネって種類だよね。身体に炎の紋様が入ってる………。


「お、お姉さまぁ!」


 わあっ!ちょっとジュエラが飛び付いて来たあ!

 おもいっきりハグされて……いや待て!今……喋った!?


「ジュ、ジュエラ?喋れる……の………?」


「はいっ!進化した事でお話し出来る様になりました!お姉さまとお話し出来る日が来るなんて……。」


 あら、目から涙なんて……。


「バカね…今までも会話してたじゃない……そしてこれからもね……w」


「お姉さまぁ。」


 甘えて抱き付いてきた、可愛いんだよねぇ。


「よしよし、これからもよろしくねジュエラ。」


「ハイ!お姉さま!」


「で、メリルの方だけど……何か凄そう。」


 尻尾が3本になってトライデントの攻撃力が上がった感じがするけど……もうひとつは頭の角だよね?

 これは一体……何?


「ねえ、メリル。その頭に生えた角は一体……?」



 はっ、そう言えば進化した名称がライジングトライデントって………ライジング……ってまさか!?

 2本の角に小さな雷が纏い始めた!マズイ!


「メ、メリル!全力はダメだよ!抑えて、抑えて、抑えて微量でいいから、抑えて……ね?」


「ガルッ!」


 案の定、2本の角から雷が発生し湯船に電導していく。しかし、メリルが極力抑えてくれたので微電流が流れる形になった。


「あああ、き、きくうぅ……このピリピリ感……腰痛、肩凝りが癒されるぅ………。」


「って!年寄りかっ!」


 アルミラにツッコミを入れられつつ、仲間が進化したことに驚きつつ、ゆっくりと癒されたのであった……。


「お~い、俺も入りたいんだが、まだか~。」


 


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 


 で、次の日の朝。あの後アルバスも湯船に浸かり、すっかり満足して皆でご就寝。ドルクも皆で身体をお湯で拭いてあげて、大満足してた。

 朝食も食べて、後片付け。あの後収納レベルも上がったんだよねぇ、飲み水と湯船用とに分ける事が出来たし、大きいけど折角作ってくれた浴槽が勿体無いので試しに収納してみたらあら不思議!無事に収納出来ちゃった!チート過ぎよねぇ……ないわぁ。


「よし、じゃあ忘れ物は無い?出発しようか。」


 全員リラックスしてその場所を後にした。魔都迄は後数日掛かる。いくら急がないとは言え、近くまで進みたいよねぇ。

 でもねぇ、この時私達には気付けなかったんだけど、2km先から様子を伺ってる者が居たんだよねぇ。明らかに味方じゃない感じの………ないわぁ。


 《魔獣使役レベル8になりました。小型・中型・大型魔獣の使役が可能になりました。魔獣治癒レベル10になりました。範囲治癒が可能となりました。トライデントパンサーがレベル8になりました。進化してライジングトライデントに。フレイムスパイダーがレベル8になりました。進化してファイアアラクネに。シザーズスコーピオンがレベル7になりました。》

≪毒耐性・麻痺耐性・睡眠耐性レベル7を獲得しました。≫


《収納レベル10を獲得しました。収納範囲が10倍になりました。分量調節レベル10を獲得しました。かなりの細かい配分と選り分けが可能となりました。集音レベル7を獲得しました。半径1.8km内の人間・魔獣・魔族等の音を聞き分ける事が出来ます。》


《魔族治癒レベル8を獲得しました。切断された手足や失くした部位も再生出来ます。》


《魔族従属レベル8を獲得しました。上位魔族を従属出来ます。それにより魔法レベル5を獲得しました。》


《ダークエルフがレベル7になりました。》 


《ミノタウロスがレベル7を獲得しました。》


《闇支配レベル5を獲得しました。》

読んで頂けるなら次話へとお進みください。ありがとうございます。

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