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意外とモンスターって話通じるんですね  作者: 豚煮豚
本編

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6/13

5

 

 前回の続きの回想じゃい!!


 回想嫌いな人はごめんよ!!


 でも回想じゃー!


 ―――――


 待っているように言われた部屋の隅。


 そこにやってきたのは馬に乗った首長だった。


 その格好はまだ軽装だった。


「あ、ど、どうされたんですか!?この音は!?」


「モンスターの襲来です!!どうぞ!馬に乗ってください!!」


「馬?逃げるんですか?街は?」


 うるさい鐘の音が示していたのは、モンスターの襲来だった。


 そして、実力者と呼ばれていた首長はそれから逃げようとしている。


 もしかして俺を助けるためにこの街のことを?


「俺のことは大丈夫です!貴方はこの街を守るために戦ってください!!みんなのために!!」


「ぐっ……それは……」


「どうしたんですか!?実力者なんですよね!?それなら、僕のことなんて放っておいて――」


「できないんだ!!君たちにはわからないかもしれないが、僕たちにモンスターを倒すことなんてできないんだ……!」


 なに!?


 そうなの?


 魔法とかでなんかモンスターに対抗できるんじゃないの!?

 もしかして、この世界における人間ってなんにもできない?


「え、あ、あの?魔法とかって?」


「魔法は魔族しか使えない。君のような異世界から来た稀人にはわからないかもしれないが、そうなっているんだ……この世界は!」


「じゃ、じゃあ、逃げるしかないってことですか?」


 首長さんは沈黙したまま頷いた。


 嘘でしょ?なんか、ちょっとヤバいじゃん。


 襲撃されたら逃げるしかないって本当?そんなに弱いの?



 “ドゴーン!!”



 鐘の音ではない騒音が街に響いた。


 その音の感じからして城塞が破られた音のような気がする。


 もうなんで俺が来たときにこんなことになるのよぉ。


 もう足も“クタクタ”だし、動けないよぉ。

 はぁ……どうしよっかな?馬だったら疲れないかな?


「すみません、じゃあ、お言葉に甘えて馬に乗らせてください!」


「感謝をするのはこっちの方だ。しかし、乗る前に一つだけ教えてくれ。君は魔法は使えるのかい?」


「魔法?どうなんでしょう?あんまり使えるような気はしませんけど……」


 それを言うと首長は今までの優しそうな表情から怪訝そうな表情に変わった。


 なんですか?


 もしかして俺に魔法が使えるとでも思っていたんですか?


「じゃ、じゃあ、『ファイア』と言ってみてくれないか?思いっきり集中してそれをしてみてほしい……」


「…………ファイアァァ!!」


 当然のようになにも起こらない。


 なに?説明してよ!!なんなのよこれ!!!


「なるほどな。まぁ、ひとまず、君のことは置いておくとしようか」


「なんなんですかぁ!?どういうことなんですかぁ!?」


「稀人の中には稀に魔法が使える人がいるんだよ。君がそうなのではないかと思って受け入れてみたんだが、まぁ、そうではないみたいだな」


 そういうことね?


 異世界転生で最強する奴が前には居たってことね?

 そういう伝説を信じて俺のことを受け入れてはみたけど、別に全然そういう感じもないから一回放置するってことね!!?

 この薄情者!!


「ちょ、ちょっと待ってください!こんなところに一人で放置されたら死んでしまいます!!」


「それも運命だな。うん」


「そ、そんなぁ!」


「諦めなさい。それじゃ、バイバイ、げんきで――」“ガブッ!!?”


「うげっ!?な、な、な!?」


 俺のことを見捨てようとしていた首長。


 ま、まだ名前すらも知らない首長は“ガブッ!”という音とともに首から血を吹き出して馬から倒れ落ちてしまった。それを見た馬は暴れてどこかへ走り去る。

 うわぁ、終わったぁ。とも思ったが、なんかどこかで見覚えというか、なんか覚えがあるような感じがしたのでワンチャンにかけてみた。


「も、もしかして、ライオットさんですか?」


「そうだ。こんな俗界のような場所でなにをしていたんだ?ユージ」


 うわっ!当たってたやっぱりそうだった!


 てか、ヤバいよ。


 人間に混じってたことがバレたら人間だってこともバレるよ、ヤバいよ。


「えーーと。潜入捜査です!!」


 またまた変な嘘を言っている俺。


 潜入捜査ってなんの!?


「今回の作戦を無事に遂行するためにか。内部からこの街を崩壊させようとしていたのだな……だとすると、手柄を横取りしたみたいで申しわけがないな。首長を殺す計画があったのだろう?」


 そんなのない!あるわけないじゃん!!


 でもある!!あるってことにする!!


「そ、そうなんですよぉ!僕はもああんまり魔法も使えないんで!こういう地味なことしかできなくてですね!!へへへ!げへへへ!」


「ご苦労様だ。突然変異体は大変だな」


「そうですそうです!大変なんですよぉ!」


 見えないライオット氏に怯えている俺。


 なんかもう魔族として生きていこ。


 この世界の人間弱いわ、うん。


「あの、みんなはどこに集まってるんですかね?場所を教えてくれませんかね?」


「入り口のところに集まっている。その見た目だと勘違いされるだろうから、俺も同行してやるとしよう」


「あざっす!!!」


 ―――――


 まぁ、こんな感じですよ。


 どうせ人間の社会に混じってもいつかは殺されちゃうだけ。


 それならば下等な魔族として生きていく方がよっぽどいいってことですよ。


 身の程を知れってことですね。

 ウンウン。




他にもたくさん同時連載してます!

もしよかったらみてみてね?

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