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意外とモンスターって話通じるんですね  作者: 豚煮豚
本編

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4

 

 というわけで、約束通りの回想だ。


 人間の俺が魔族とガッツリ混ざって鉱山で仕事をしていた理由。


 それはこんなことがあったからなのだった――



 ―――――


「おぉ!お前さん!稀人さんなのか!よく来たなぁ!平原で一人ってモンスターとかは大丈夫だったのか?」


「まぁ、まぁ、一応。えっと、マレビトさんって?」


「この辺りだと異世界から来た奴のことをそう呼んでるんだよ!稀な人と書いて稀人だな!ここでは稀人は歓迎することになってるからさ!ちょっとみんなを呼んでくるよ!」


 ライオット氏と別れてから俺はとりあえず街を目指して歩いてみた。


 近くにあったはずのヨーロピアンな建物はそれなりに遠かった。


 空はいつのまにか夕空になって、外はなんにも見えなくなって。


「はぁ、どうなっちゃうのよー……」


 街灯もなんにもない草原は暗くなるとそのまま怖くなる。


 それに、もう足が“パンパン”でめちゃくちゃ“クタクタ”だった。


 そんな疲労状態の俺をめちゃくちゃ歓迎してくれたのは、跳ね橋みたいになっている城壁の前で門番をしていた気のよさそうな、ラフな格好をしたおじさんだ。どうやら中からいろんな人を呼んできてくれるらしい。

 なんかもう疲れてるから休みたいんだけど。歓迎ってなんかめちゃくちゃ酒を飲まされるとかじゃないよな?一応酒は飲める年齢で死にましたよ?マジで。


「待たせたね!ほら、入って入って。今橋を上げるからさ」


 門番さんと一緒にここに来た誰か。


 綺麗な服を着ていたその人はなんだかとっても人が良さそうだった。


 良さそうすぎて逆に怪しいくらいだ。

 不審がりすぎかな?


「ありがとうございます!その方は?」


「ここの首長だよ。まぁ、細かい話は中でしようよ。だってさ、外はやっぱり危ないからね」


 どこか暗い顔になって門番さん。


 まぁ、モンスターがいるなら危険で危険でしょうがないだろう。


 ライオット氏の動揺の感じからしても人間は魔族とコミュニケーションが取れないだろうし、戦うしかない感じかな。

 でも、それにしては門番さんの装備が軽装だった気がするんだよな。ほとんど私服というか、普通は重装備で待ってるもんじゃないのかな?

 やっぱり魔法でなんとかすんのかね。まぁ、魔法があったら防具なんていらないか。


「お、お邪魔しまーす!しゅ、首長、よろしくお願いいたします!」


「そんなに畏まらないでください。僕なんてただの一市民みたいなもんなんですから」


「そんなことないぜー!この人は希代の天才って呼ばれてるんだよ!中々の実力者なんだ!」


「実力者?」


 実力者ってことは魔法の?


 まぁ話の流れ的にはそうだろうな、異世界だし。


 どんな能力があんだろ。


 来た感じ、ゲームみたいなステータスがあるような気配もない。


 でも、ライオット氏が透明化の魔法使ってたよね?


 なんかそういう方向の魔法なのかな?

(魔法学校とか秘密アイテム系のヤツ)


「旅は疲れたでしょう?」


「そうですねー。ちょっと外の暗くなってたんで、結構でしたね」


「歓迎会を開く前にちょっとお休みになられますか?とはいっても準備の時間がありますからどちらにしても待機していただくことにはなりますが」


「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて」


 門番とはお別れして、首長の後を着いていくことに。


 首長に案内されるままゲームみたいな街並みを歩く。


 全部石で造られているような感じで、雰囲気がスゴい。


 さっきは微妙に死にかけていたけどこれならまぁいいかな?


 異世界に来た感がスゴいしてめちゃくちゃいい感じだ。


「それでは、ここでお待ちください」


「ありがとうございます。え、こんなに広い場所いいんですか?」


 教会の隣にあった薄暗い建物。


 夜になって家々には灯りがつきはじめていたのに、真っ暗な室内。


 誰も使っていない場所なんだろうな。


 なんか、不穏な空気もしているけど気のせいだろうか。


「もしも小腹が空いているのならばそちらに並んでいる果物も食べていいですよ?まぁ、しかし、これから歓迎会があるので、あまりたくさん食べられても困るかもしれませんが」


「ありがとうございます!それでは」


「それでは。薄暗いのは申しわけないですが、一時的な待機場所なので勘弁してもらえるとありがたいです」


 そう言って街へと消えていく首長。


 信用していいのかな?


 人がよさそうな感じではあったけどなぁ。


 まぁ、今は従うしかないか。


(それにしても果物美味しそうだな)

 暗い中でもそんなことを思った。 


 “ゴーンゴーンゴーン!!!”「なに!?」


 待機場所で待っていると、街に謎の鐘の音が響いた。


 音の感じからしてどう考えても緊急事態という雰囲気だ。


 緊急事態になんて、心当たりがない。

 いや、やっぱりある、俺だ。


 これあれか?罠だったとか?


 俺はここに閉じ込められちゃったとかあるかな?


 不安に思っていた俺は広い部屋の隅っこで誰かが来るのを待っていた。

 外に出るのは怖かった。


 ―――――


 思ったよりも長くなってしまったから次回に続く!!

 それにしても大変そうな俺だこと。

 同情するなら拡散してくれ!


他にもたくさん同時連載してます!

もしよかったらみてみてね?

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