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意外とモンスターって話通じるんですね  作者: 豚煮豚
本編

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2/14

1

 

 まずは自己紹介からか?


 でもなぁ、なにから話したらいいのか。


 ――まぁ、めんどくさいからとりあえず回想で!


 ―――――


 “ブワっ”と!宙に浮かんでいた俺は地面に着地した。


 もう着地したって言葉が相応しくないぐらいに“ブワっ”と着地。


 なんで普通の二十歳だったはずの俺がいきなり地面に着地――地面に着地って何回言うんだよ。てか、意味被ってないか?――することになっているのかというと!なんと!!異世界転移しちゃったからなんですねぇ!!


 今さら異世界に来ちゃったとか言われても衝撃でもなんでもないだろう。


 なので、スーパー手短に説明させてもらおう!


【謎の病気で入院】

 ↓

【未知の病だから不治だと言われる】

 ↓

【治ることなく死ぬ】

 ↓

【神様から『間違えて君を別の世界の病気にしちゃった!!』と言われる】

 ↓

【揉める】

 ↓

【揉めた結果、異世界に行かせてもらえることに】

 ↓

【ここ】


 ということだ!

 わかりやすかったであろう!?

 そんな感じで死んだ俺は異世界に降り立った。

 なんにもないだだっ広い草原に、どこまでも広がっているような青空。遥か先に街のような物が見えているが、当たり前のように近代的な建物などはどこにもない。そのどれもが「ルネッサ~ンス!」を感じさせるような、模範的なヨーロッパの建造物だった。とても網膜にとってよい刺激だ。


 なんか、実際に異世界来てみると不安だな。



「いせかい!!いせかいがいいの!!いせかいいきたいいきたいいきたいぃ!!」



 そんな風にダダをこねたはいいものの、大丈夫か?


 魔法とか使えない俺がこんな世界に来てよかったのかな?



 “グルルルル!!”



 そんなことを不安に思っていると、どこからかモンスターの唸り声。


 なんか、ライオン系のモンスターが唸っているような音に聞こえる。


 こんな草原なのにその姿が見えないってどういうこと?


 不思議に思っているとどこからか“シュっ!”と吹く一陣の風。そして、それとともに“シュパッ!”と耳元を掠めた鋭い音!これは、爪で空間を切り裂いたような音だ……



 やっぱりダメじゃねぇかー!!



 そんな悲鳴を出しそうになった俺。


 なんかよくわからんが透明化することができるモンスターに襲われている。


 今回はたまたま攻撃が当たらなかった。


 が、もしも当たったりなんかしたらこれ、一たまりもありませんよ!!


 神様に無理難題言ったせいでなんかムカつかれている感じがするな。もしかするとこれも神様の思し召しである可能性がある。だとしたら神のクセしてやることが陰湿だ。なんか、不潔な髭だと思ったんだよな!長すぎてさ!



 “グルルルル!!”



 そのモンスターの声は未だに聞こえてきている。


 どうするんだこれ。


 もう本当に絶体絶命としか言えないような状況。皮裏が“ヒリヒリ”していた。ついでにドキが“ムネムネ”していた。

 どうにかして許してもらえないだろうか。ワンチャン話が通じる可能性とか?なんかあるよね?そういう系の異世界系もあるよね?お前そんなに?モンスターなのにそんなに喋れる?っていうやつあるよね?それにかけるか。



「ちょ、ちょっとタンマ!!待った!!待った待った!!」



 ちょっとした希望。


 どうせ無理だろうなとか思いながらそんなことを言ってみた。


 すると?



「お前、俺たちの言語がわかるのか?」


「へ、へぇ?めちゃくちゃ良い声?」



 ライオン系のモンスターの声はめちゃくちゃいい声だった!


 もう低音?響くような低音が男の俺すら惚れさせる……



「済まない。まさか話が通じる相手だとは思わなかった。お前も無知蒙昧な人間の仲間だと思っていたが、もしかして魔族なのか?」


「ま、魔族?い、いやぁ……」



 ま、まて!!


 ここで人間だって言ったら食われてしまうかもしれないぞ!?


 となると、とりあえずは魔族だって偽っておくか?


 でも、俺は魔族にどんなのが居るのかを知らない!なんか新種の魔族です!って言ったらワンチャン通してくれないかな。「ヨシ!通れ!」ってしてくれないかな?



「あ、あの!魔族です!!」


「なるほど?であれば、なんの種だ?」


「そ、それがわからなくて……すみません」



 なんとかなりそうか?!


 表情が見えないからなに考えているのかわからない!!

 いや、モンスターの顔なんて見えてもなに考えてるのかわからんか。 



「そんなこともあるのか。まぁ、魔力の暴走によって新しい魔族が生まれることも稀にあるからな。わざわざ言葉が通じる相手を疑う必要もないだろう。で?ここでなにをしていた?」


「あ、散歩です!」



 許されてる!やったー!



「そうやって無為に時間を過ごすのもよいな。では、俺はもう帰ることにする。一応、お前のことをみんなに知らせておいてやろう。名はなんと申す」


「な、名前は、ユージです!」


「そうか。珍しい名前だな。俺の名前はライオットよろしく」



 やっぱりライオンだ。


 この名前はライオン以外のなにものでもない。 



「よろしくお願いします!」


「では!さらばだ!!」  



 “ビューーンッ!!!”



 ライオットが別れを告げると、オールバックになりそうなほどの強風が吹いた。


 ――アブネェ!!


 死ぬかと思った!!


 それにしても意外とモンスターって話通じるんですね。


 結局最後まで姿は見えなかったけど、ライオットって名前からしてもライオン系の何かしらだろう。攻撃からしても声色からしてもめちゃくちゃダンディなライオンだ。

 ダンディライオンってタンポポのことらしいよ。いや、ダンデライオンだったかな。まぁ、どっちでも良いか。



 ―――――



 まぁ、大体こんな感じだ。

 無事にタイトル回収が済んだところで回想も終わりだ。

 あれ?もしかして自己紹介になってない?

 ――次回に続く!!


他にもたくさん同時連載してます!

もしよかったみてみてね?

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