脅迫文
【復讐は姉の怨念とともに——】
「ああ、目が疲れてきた……」
恭弥は作業の手を止めて目をこする。予想以上に手間のかかる細かい作業に疲労を感じ始めていた。
新聞の見出しから必要な文字を探し出してハサミで切り取るという単純な作業だったが、いくつかの文字は新聞からは見つけられず、雑誌まで引っ張り出す羽目になった。
一時間近くかけて必要な文字を集め終えると、A4サイズの白い用紙にバランスよく並べていく。並べ終えたあとに文章に誤りがないかを確認してから、一枚ずつのりづけしていった。
「意外とむずいな……」
のりをつけ過ぎないよう慎重に作業を進めていくが、指紋対策のために着用していた白い薄手の手袋のせいで、新聞の切れ端がつかみづらくて苦労させられた。
「ふう……。完了だ」
ようやく目的のものが完成した。貼りつけた文字はバランスよく並び、満足のいく出来栄えだった。
「うん、いい感じだ」
新聞の切り抜きを利用しただけあって、脅迫文としての不気味さがしっかりと漂っていた。
「そ」「の」「部」「屋」「は」「呪」「わ」「れ」「て」「い」「る」「。」「後」「悔」「し」「た」「く」「な」「け」「れ」「ば」「今」「す」「ぐ」「出」「て」「い」「け」「。」「こ」「の」「警」「告」「を」「無」「視」「す」「れ」「ば」「、」「お」「前」「だ」「け」「で」「な」「く」「身」「近」「な」「人」「間」「に」「も」「不」「幸」「が」「訪」「れ」「る」「だ」「ろ」「う」「。」
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