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[完結済]【呪い系ホラー】こはるちゃん、いっしょに。  作者: てっぺーさま
第二章 血塗られた過去

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形だけの謝罪

【闇堕ち少女、怨霊(おんりょう)と化す——】

「華菜子、本当にごめん……。反省してるから、どうか許して……」

 原口華菜子の墓石の前で、奈央は謝罪の言葉を繰り返した。

 しかし、その声には感情がこもらず、どうしても上辺だけの言葉になってしまう。それも無理はない。霊能者の岩国に促されて行った、形だけの謝罪に過ぎなかったからだ。

 確かに、原口華菜子が自ら命を絶ったときは、奈央も罪悪感に苛まれた。だが、そもそもの原因は彼女が雅と付き合い始めたことにある。彼女が余計なことをしなければ、波風は立たなかったはずなのだ。

 しかし、夜ごとに心霊現象に悩まされ、さらに当時の関係者に死傷者まで出たことで、奈央は身の危険を感じ、こうして謝罪のために墓前に足を運んだのだ。

 岩国によれば、謝罪が受け入れられれば心霊現象は止まる可能性があるという。

 とりあえず、形だけの謝罪ではあるがやるべきことはやった。あとは様子を見るだけだ。

 もし、それでも心霊現象が収まらなければ、岩国に墓まで来てもらい、直接お祓いを頼むしかない。呪いの対象さえわかれば祓えると彼は言っていた。

 だが、真実は明かせない。軽蔑され、助けを拒まれるかもしれないからだ。そのときは適当な話でごまかすしかない。恋人を奪われた原口華菜子の逆恨みとでも言えば納得してくれるかもしれない。

 しばらく墓石の前で謝罪の言葉を繰り返していたが、ふと冷たい風が頬を刺した。奈央は思わず身震いする。気づけば、オレンジ色の西日が墓地を染め、あたりは薄闇に沈もうとしていた。

 これ以上こんな場所にいたくなかった。それに、先ほどから誰かに見られているような気がして、落ち着かない気分になっていた。

 奈央は墓石に向き直ると、吐き捨てるように言い放つ。

「これだけ謝ったんだから、もう余計なことはしないでよね」

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