表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/26

余興の終わり

 隣のクラスで起きた朝の騒動は、すぐに奈央の耳にも届いてきた。

 教師が介入したため、吉野リサがこれ以上問題を起こす可能性は低い。退学だけは彼女も避けたいはずだ。

 奈央にとっては面白くない展開だったが、原口華菜子はただ黙っていじめられるような生徒ではない。模範的な優等生で、男女問わず人望も厚い。それを考えれば、吉野リサを使った策略では、この程度が限界だったのだろう。

 だが、今回の件は単なる余興に過ぎない。本番はこれからだ。奈央はさっそく本命の計画に移ることにした。

 校門を出たところで、奈央は電話をかけた。

「もしもし、カズマ? 例の件だけど——」

 電話の相手は、奈央の連絡を待ちわびていたようだ。荒い鼻息が電話越しにも伝わってくる。良い兆候だ。

「——そうね、最低でも二人は連れてきて。じゃあ、また連絡する」

 通話を切ると、奈央は身を震わせた。計画が本格的に動き出したことで、興奮で自然と胸が高なっていく。雅を奪われた心の痛みも、この計画が成功すれば綺麗さっぱり消え失せるだろう。

「見てなさい。わたしが味わった苦しみを、何倍にもして返してやるんだから」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ