表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

 のはらは白いTシャツに短いハーフパンツを履いている。(さっき見たように、足元はひまわりの絵柄の入ったサンダルを履いている)

 三つ編みにしている髪には水色のリボンを巻いていた。

 岬はTシャツに青色のハーフパンツ。頭には麦わら帽子をかぶっていて、その手には虫取り網を持っていた。

 その肩には肩掛け鞄をかけている。(虫取り用の小さな木のかごも、その鞄の横に同じように肩にかけて持っていた)

 足元は白いスニーカー。

 空には明るい輝く太陽がある。

 二人は歩いているだけで、その身体中に小さく汗をかいていた。

「夏だね」とのはらはいう。

「はい。夏です」とにっこりと笑って岬は言った。(そんな素直な岬を見て、のはらは楽しそうな顔をしてにっこりと笑った)

 ずっと気にはなっていたのだけど、どうやらのはらにも妖精さんの姿は目に見えていないようだった。(その声も聞こえていないようだった)

 そのことに安心するのと同時に岬は少しだけ寂しい気持ちを感じた。

 妖精さんも途中でそのことについて確信したのか、こそこそと岬の頭の後ろに隠れるのをやめて、今はいつものように岬の(麦わら帽子の)頭の上にちょこんと乗っかるようにしている。 

 そんな妖精さんの姿は季節外れの雪玉のようにも、あるいは少し大きめの綿毛の花のようにも見える。

『ふう。それにしても暑いですね。どこか涼しいところに行きたいです』と妖精さんはいう。

 そう言いながら、妖精さんは遠くにある緑の木々が作り出す小さな木陰をぼんやりと眺めていた。

 夏に吹く風がとても気持ちいい。

 汗をかきながら、そんなことを岬は思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ