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トカゲと散歩  作者: *ファタル*
本編4森の中へ
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第79話 そういえば

「…いきなり聞いて悪かった。」



 クルビスさんがすまなそうに言ってくる。

 いえいえ、聞かれれば答えますよ。上手く説明出来るかわかりませんが。



 私が首をゆるく降るとクルビスさんが苦笑する。



「ハルカはいつもそうだな。こちらが聞きたいことに答えてくれる。」



「それは、お世話になるんですし。それくらいはしますよ。

 クルビスさんには聞かれて困ることも無いですし、私が身元の怪しい女だっていうのは変わりませんから。」



 そう。そこは変わってないんだよね。

 今はクルビスさんとフェラリーデさんが味方してくれてるから無事なだけで、普通だったら拘束されたり尋問されたりしてるだろう。



 運が良かった。ホントにそう思う。

 こんな風に外に出るのにだって、髪を隠せるようにフード付きの外套を用意してもらえたし。



 だから、出来ることで返せるものは返していこうと思ってる。

 森の調査についてきたことや情報提供もそのうちの1つだ。



「…ハルカの故郷の話は聞いていたが、ハルカのことは何も知らないと思ってな。」



 そうでしたっけ?

 …そういや、途中で私がここが異世界だって知ってるって話になって、そのまま今後どうするかって話になったんだった。



(話の流れで聞かれるままに答えてたもんなぁ。私自身のことなんて…名前くらいしか言ってないかも。)



 そりゃ怪しいわ。気になりますよねぇ。

 でも、わざわざ聞き出そうとはしませんよね。



 気を遣われてるなぁ。

 もう異世界に来たショックはだいぶ過ぎてるから、話をするくらい大丈夫なんだけど。



 クルビスさんって優しいよね。

 ホント、紳士だと思う。




「…そういえば、お話ししてませんでした。名前を名乗ったくらいでしたね。」



「気にしないでくれ。ハルカが現状を把握してくれてることがわかっただけで、ずいぶん助かったんだ。」



 申し訳なく思いながら話すと、クルビスさんがフォローしてくれた。

 現状の把握?…ああ、異世界にいて、私が珍しいってことですか?



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