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トカゲと散歩  作者: *ファタル*
本編3私に出来ること
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第56話 名前は大事

「いや、関係ないようだ。調査を優先して切り上げたからな。まだ話の途中なんだが…それに関してはどうも違うみたいだ。」



 私の視線に気付いて、クルビスさんが代わりにシードさん言ってくれる。

 ありがとうございます。



 でも、関係って何のこと?後でクルビスさんに聞いてみようかな。

「ジー様」って、名前かな?それともお爺さんってことかな?



 (どっちかって言うと、お爺さんっぽかったよね。でも、どこのお爺さんなんだろ。)



 今聞くのは良くないよね。

 これも後で聞いてみよう。教えてくれるかわからないけど。



「ホントかよ?ま、どっちにしろ嬢ちゃんは知らねえか。」



 また、「嬢ちゃん」って…。名前で呼んでくれないかなぁ。ホント、いくつに見られてるんだろう。

 別に腹立てる気はないけど、何歳くらいに見られてるのかは気になるなぁ。



「あの、遥加です。嬢ちゃんじゃありません。遥加と呼んで下さい。」



 とりあえず、呼び方は訂正してみよう。

 シードさんは私が口を挟んだのを面白そうに見てくる。



 シードさんはクルビスさんより表情がわかりやすいかも。

 口の端が上がってるし、目がランランとしてるから、たぶん、面白がられていると思う。



「ふーん。いいのか?」



 何故かシードさんはクルビスさんの方を向いて聞いている。

 呼んでくれないのかな。



「ハルカがそう言っているんだ。そう呼んでやればいい。」



 そうです。名前は大事です。呼んで下さい。

 コクコク頷きながらシードさんを見る。



「そうか。じゃあ、よろしくな。ハルカ。」



 目を細めて挨拶してくれる。

 なんだろ、微笑ましげに見えるけど…気にしないでおこう。



「はい。よろしくお願いします。シードさん。」



 今度は胸に手を当てるだけで、シードさんの目を見て挨拶する。

 これまでの感じだと、たぶん軽い会釈くらいならこれでいけるはず。



「礼儀正しいねぇ。さん付けなんて久しぶりだな。最近はいっつも副隊長って呼ばれるもんなぁ。」



 シードさんが頭に手を置きながら苦笑して言う。

 シードさん副隊長なんだ。じゃあ、偉いんだよね?っていうか、隊長職があるってことは、やっぱり病院じゃないんだな。ここ。



「確かに、今じゃ役職名で呼ばれる方が多いな。まあ、日が暮れるまでには戻るつもりだ。リードは残るから、何かあったらそちらに頼む。」



「ん。了~解っ。そんじゃ、俺は上に戻るぜ。嬢ちゃ…じゃなかった。ハルカも気を付けろよ?」



 ひらひらと手を振ってシードさんが戻っていく。

 名前に呼び直してくれた。律儀だなぁ。副隊長さんなのに気さくな感じだ。



 クルビスさんを見ると片手を上げていたので、私も手を振って見送ることにする。

 シードさんの尻尾って迫力あるなぁ。カーキ色に黒い模様がヘビみたい。なんか、動物園とかで見たことのある大きなヘビを思い出すなぁ。



「…ハルカ?どうした?」



 クルビスさんが怪訝そうにこっちを見てる。

 いえ。立派な尻尾に見とれてました。…なんて言えないか。

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