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トカゲと散歩  作者: *ファタル*
本編3私に出来ること
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第51話 非常階段?

 フェラリーデさんの傍にいくと、壁にぽっかり穴が開いていた。

 暗くて見えにくかったけど、階段があるみたい。



 私が目を凝らしていると、いきなり明るくなった。

 うわっ。目が痛い。



「大丈夫ですか?明かりをつけましたから、目が焼けたのかもしれませんね。」



 明かり?ううっ。まぶしくて良く見えない。

 ん。でも、手をかざしてるからかな。ちょっとずつ見えてきたかも。



「大丈夫です。慣れてきました。」



 返事を返す間に、さらに見えるようになってきた。

 鮮明になった視界に映ったのは、階段は階段でもらせん階段だった。



「階段…?」



 こんな場所に?

 フェラリーデさん棚を開けてたよね?ってことは、隠し扉?



 (え。何で来た道戻るんじゃだめなの?大きな階段上ってきたよね?)



 フェラリーデさんに会うまでの道のりを思い出しながら疑問が出てくる。

 普通に外に出ればいいんじゃないの?被り物もしたし。



「こちらの階段を使って外に出ていただきます。中央の階段は使えませんので。」



 私の疑問にフェラリーデさんが答えてくれる。

 中央の階段ってくるときに上ってきた階段だよね?使えないの?



「下には今、この気温で体調を崩した住民がかなり来ているでしょう。今降りていくと非常に注目を浴びてしまいますので、こちらの非常口を使うことにしました。」



 あぁ。そうか。トカゲさんは寒さに弱いよね。成る程。

 真ん中の階段を降りたら、たくさんのリザードマンに見られるのか…。それは勘弁して欲しいわ。



 でも、こんな隠し通路みたいなとこ通って外に出るなんて…。非常口って言ってたけど、すぐに出れるのかな。

 フェラリーデさんの説明に頷きながらも、次に思い付いた疑問をぶつけてみる。



「ここを降りたらすぐに外に出られるんですか?」



 地下道みたいなとこを通るんでしょうか。

 あんまり暗くて狭いとこにずっといたくないんだけど。



「1度、地下の鍛錬場まで下りていただいて、そこから敷地の裏に出ていただきます。その道なら、誰かに会うこともあまり無いでしょう。」



 へぇ。鍛錬場があるんだ。病院かと思ってたけど、警察署みたいだなぁ。

 実家の近くの警察署にも署内に鍛錬する場所があって、地域の子供たちに剣道や柔道を教えてたらしいし。



 地下には降りるけど、映画で見たような薄暗い地下道を通るわけじゃないみたい。ちょっと安心。

 それに、誰かに会いにくいっていうのも助かる。何者か聞かれても、答えられないし。



 (一応、入院患者ってあつかいだけど、患者が外をふらふらしてたらおかしいもんね。)



 うん。とにかく人目を避けて、しゃべらないようにしよう。

 いざとなったら、クルビスさんの後ろに隠れてお任せすればいいよね。私はうかつにしゃべれないし。


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