第47話 外に出る
「そうですね。ハルカさんの魔素も補給してから安定していますし、意識もしっかりしています。
…ハルカさん、先程の浴室への移動の時に普段と違うところはありましたか?足の違和感とか。」
フェラリーデさんが私を見ながら言う。顔を見てないから…魔素を見てるのかな?
えっと。さっきの移動の時…。特に思い出せないから何ともないってことだと思う。普通にお風呂に入れたし。
「特におかしい感じはなかったと思います。お風呂にも問題なく入れましたし。足は…」
足の違和感?足っていうと…ああ、トイレ借りるときに足が軽くなってて驚いたんだっけ。良く憶えてるなぁ。
すっかり忘れてた。お昼ご飯とお風呂の印象の方が強いんだよね。
(やっぱフェラリーデさん頭いいんだなぁ。たくさんお話ししたけど、私憶えてられるかなぁ。名前は憶えたけど。)
「足は疲れが引いてもう普通に歩けます。問題ありません。」
もう普通に動けると思う。
最初はすごく疲れてたけど、今は疲労感とか全然感じないもんね。
「なら、大丈夫ですね。ハルカさん。クルビスと一緒に調査に行っていただけますか?なるべく、今日中に調査がしたいのです。」
今日中?ずいぶん急いでるなぁ。
調査もクルビスさん1人って言うし。そういうのってもっと準備して人数そろえてするんじゃないの?
(あ、もしかして、時間が経つと異変が消えちゃうとか?気温も上がってきてるし、すごい速さで元に戻ってるってことじゃ…。それなら、急ぐよね。)
「はい。大丈夫です。ただ、途中までしか目印もないので、正確な場所までご案内出来るかは自信ありませんけど…。」
歩き始めて30分くらい経ってから葉っぱを枝に刺してたし。
同じような木ばっかりで、目新しい景色なんてなかったもんなぁ。
「ハルカがこの辺りだと思う場所まで連れて行ってくれればいい。魔素に異常が無いかかどうかは近くにいけばすぐにわかる。」
クルビスさんが私の返事に心配ないと声をかけてくれる。魔素を見るんですね。
そうか。普通に見える異変じゃないかもしれないもんね。来た時にすぐ振り返ったけど、空間の亀裂やゆがみなんて見えなかったもんなぁ。
「そうです。歩いていた時に気づいたことや感じたことも思い出したら教えて下されば新しい情報になります。朝にポムの小道にいたのはハルカさんだけですので。」
フェラリーデさんも頷いてくれる。確かに他にいないなら、情報は少しでも欲しいよね。
そんなことでいいなら喜んで。お世話になりっぱなしだし。
「わかりました。調査に協力させていただきます。クルビスさん。よろしくお願いします。」
クルビスさんに胸に手を当ててお願いする。
行くとなったら、気合いれて行きますっ。




