表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トカゲと散歩  作者: *ファタル*
本編1気がつけば異世界
13/168

第12話 異文化コミュニケーション

 気付いた違和感をそのままには出来ず、微笑むエルフに話しかけてみる。



「あっあのっ。私の言ってることわかりますか?」



 つっかえながらも、ひと息で言いきる。

 そんな私を穏やかに見つめながら緑のエルフが返事をしてくれた。



「ええ。わかりますよ。」



 …通じるっ。言葉がわかるっ。



 嬉しさに目が潤んでくるが、気合いを入れて押し留める。

 まずは、何故急にこうなったのか聞かなくちゃ。



「あの。どうして急に言葉がわかるようになったのでしょうか?」



 はやる気持ちを抑えて、なるべく丁寧な言葉遣いで話す。どんな時でも冷静に。

 そのために、丁寧な言葉遣いで話すのが私のやり方だ。言葉を選べば頭が冷えてくる。



「その質問の答えとしては、お茶を飲んだから、ですね。正確には、その中の命の水を、ですが。」



 緑のエルフが穏やかな微笑みのまま質問に答えてくれる。

 予想は当たったが、気になる言葉が出てきた。



「命の水…ですか?」



「ええ。この世界の全てのものには、存在するためのエネルギーが含まれています。我々はそれを『魔素』と呼んでいます。」



 ファンタジーな単語出てきたなぁ。魔素か。



「魔素の含まれる量は、同じ種族や同じ種類の植物でも個々に違います。生まれつき持っている魔素に、食物や水から得られた魔素が合わさって、その個体の持つ魔素となるのです。」



 ふむふむ。持っている魔素には個体差があると。



「食物や水から魔素を得ると申し上げましたが、我々は生きているだけで魔素を消費しますので、後から得られた魔素はだいたい使い切ります。

 …ですから、生まれつき持つ魔素の量がその個体が生涯持つ魔素の量であり、魔素の量が多い程その個体の強さになる。というのが、基本的な知識です。」



 成る程、生まれつきの魔素の差が強さの差になるんですね。んで、食べたり飲んだりして得た魔素は、消費されてプラマイゼロになると。



「しかし、これには例外がありまして、先程、食物や水から得られた魔素はだいたい使い切ると申し上げましたが、その個体の消費量を上回る魔素を取り込めば、余った魔素はその個体に留まります。」



 消費カロリーを超えたカロリー摂取は蓄積されるんですね。

 わかります。ええ、とっても。



「つまり、命の水がその例外にあたるということですね?」



 私が聞くと、緑のエルフは嬉しそうに頷いた。



「ええ。そうです。非常に多くの魔素を含む水を『命の水』と呼んでいます。先程お出ししたお茶は、命の水を使っていれました。」



 それで最初の答えになるんですね。

 納得しました。

 でも、肝心の答えがまだですよ?



「では、次は、何故あなたがお茶を飲んだことで言葉を理解出来るようになったのか、についてご説明しましょう。」



 お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=830034175&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ