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運命と出会い






ねぇ、和人。

あなたに会えたのはいつだったかな…?


確か、こんな雨の降る日だったよね。




今日は7月10日、わたしがわたしとして生まれた日。

そして、わたしの父親が死んだ日。



わたしの大好きな人の命日…。

























~10年前~









こんな夜中にすごい雨だなー。

僕は、そう思いながら自分のアパートに帰る。


バイトの後の帰りだ。


大学を通いながら、バイトもめんどくさいな。










あれ、どうしたんだろう。

小さい女の子が傘も差さずにびしょぬれになって、自動販売機の隣に座ってる。







後数分歩いたら家だし、傘くらいあげるか。



そんな気持ちで話しかけてみた。









「どうしたの。だいじょうぶ?」


「…」



よく見ると唇が真っ青だ。



「お母さん、お父さんは?」


「…いない」



目も真っ赤に腫れている。



「お母さんもお父さんも仕事でいないの?」


「…」



唇が震えている。

そう思った瞬間、彼女は口を開けた。



「お母さんもお父さんも死んじゃえ!」



そう大声で叫ぶと、泣き始めた。






マジかよ、困ったな、どうしよう。

とりあえず、彼女に家が近いからと説明し、僕のアパートまで向かった。






僕の家に着くころには彼女は泣きやんでいた。

後ろでひっくひっという声はまだ聞こえるけど…。



「まぁ、とりあえず入って」


「…」




警戒するよな、そりゃそうだわ。

玄関に足を一歩と入れようとしない。


どうしたものか…。





「お好み焼き、冷凍食品でよければあるけど」








おっ、入った。

餌に釣られるのかよ。









「…き、汚い」



入ったときの言葉はそれか。

片付けてはいないけどさ。












僕は服を着替えた。

彼女にはお風呂を使えと言って、ジャージとTシャツを手渡した。



友達も入れたことのないこの部屋に女の子を入れるなんて少し緊張するな…。


…といっても、小学生のような小さいお子様には興味ないがな。





ガタガタ。





出たっぽいな。




「…いろいろ、あ、ありがとうございます」



そこには、Tシャツとジャージを着た彼女の姿があった。



…今思えば、かわいい女の子だな。

髪はさらさらで少し茶色っぽくて、肩までの長さ。

目はクリッとしていて、アヒルのような口。

身長は140くらい…か?



とにかく、ロリコンに見つかってたらヤバかったな。






「そういえば、名前はなんていうの?」


「…えっ、っと」


「うーん」



しゃーねーな、名を聞く時は名乗れって言うし、こっちから自己紹介するか。




「えー。僕は日野(ひの) 和人(かずと)です。20歳の大学2年生です。よろしくお願いします」



そういって、彼女にどうぞと右手で合図する。




「あ、あたしは天野(あまの) (ゆう)です。11歳の小学6年生です。よ、よろしくお願いします」



「優ちゃんっでいい?」


「…いいよ」


「僕のことは…適当に呼んでて」


「…あ、天野…さん」


「うん、さんもなくてもいいよ」




優ちゃんの頭がさがってしまった。






自己紹介もしたとこで一番気になることを聞くことにする。




「どうして、自販機の横に座ってたの?」


「…」



黙ってしまった。


頭を上げようとしない。




「ごめん。じゃ、お母さんとお父さんと喧嘩したの?」


「…」


「…」


「…う、ううん」


「喧嘩じゃないならどうしたの?」


「出てけって」


「どうして?」


「お前がいると、客も呼べないって…」


「一体、どういうこと…?」


「あっ、いや、お、お母さんはお父さんじゃない他の知らない男を連れてきて、なんか大人の付き合いをしたいって言ってた…」


「…」


「それで、お前は家にいると邪魔とか消えろとか…」






優ちゃんは泣き出してしまった。










この子は、虐待されてるのか…?

でも、体に傷は見られない…気がする。


いや、心に深刻的な傷を負ってる。


だから、この子は子どもとしての無邪気さが感じられなかったんだ。




そして、優ちゃんは話を泣きながら続けた。




「それで、お金は通帳に入れてやるから家に帰るなって言われて…」


そう言って、通帳を見せてくれた。





「お、お父さんは?」


「お父さんはウワキをしてるとこをお母さんに見つかっちゃって、出てっちゃった」





おいおい、両親揃ってカス野郎だな。




「それで、それで…」



もう十分だ。

むしろ、聞きすぎたくらい。


ごめんな。




そう思い、優ちゃんを抱きよせた。

彼女はわんわん泣いた。








「…家に帰りたい?」


「…」


「もし帰りたくないなら、ここに好きなだけ泊まってていいから」


「あ、ありがとう」





よかった、彼女が出来たとき用に布団がもう1つある。


…彼女なんて出来たためしなんてないけどな。





「改めて、よろしくな」


「…う、うん」







7月10日、今日はいろんなことがある大変な日だな。



ここまで読んでくださって、ありがとうございます。



こんにちは、意気揚々です。

新しいの、始めました(笑)


他の人の小説とか読んでると、僕もこんな発想ができたらなぁとか思っちゃって羨ましく感じます。


のんびり書いてくので、暇潰し程度に読んでいただけると嬉しいです。



P.S

卍○とかスーパー○イヤ人的な方向にはいかないです。

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