1-1 トンガリ帽子とあたしと異世界と
「…丈夫?………すか?……………大丈夫ですか!」
ここはどこ?
「よかった!目を覚ました…」
黒髪ロングで…トンガリ帽子の女の子?コスプレかな?
「怪我は?痛いところはないですか?」
この人は何語を話しているんだ…?
日本語でも英語でもない?
「あ、あの、ありがとうございます?」
「あら…こういう時は…」
彼女は本を取り出しどこかのページを開く。
「“オール ランゲージ”」
!?!?!?!?
彼女が言葉を発し、私の頭に右手をかざすと魔法陣が現れる。
何が起こったのだろうか。
「これで大丈夫です。私の言葉、分かりますか?」
「分かり…ます。これは一体なんなんですか?それとここはどこですか?」
「ここは始まりの町“スタート”の広場です。転生する時たまに言語習得を失敗しちゃうことがあるらしくて…この魔法を使えば適応できるんです」
…
「異世界!?魔法!?」
「ええ、では私はこれで…」
「ちょっと待って!」
彼女の手を掴む。
何が何だか分からないけどこのままじゃ私は間違いなく死ぬ。
魔法?言語?異世界?分からないことだらけだ。
「一緒に行動しませんか!名前は伊藤美雪!年齢は16歳!出身地は日本!特技は特にありません!」
「え、あ、いいですよ。私は水無月葵水無月葵。年は16…で出身もニホンです。一緒ですね。それでは、今から仕事に行くので一緒に行きましょう。住人登録はされていますか?」
「してない…と思います」
「それでは、まず役所へ行きましょうか」
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〜スタートの外の平原〜
目の前には鶏が沢山いる。
200、300以上かな。
「今日は簡単な仕事、暴走した鶏の駆除です」
「そうなんだ。(目合わせてくれないな)」
役所へ行って手続きを済ませてきた。
その時、職業を選んだのだが選んだのは“ウィッチ”。
ウィッチとは魔法使いの事。折角異世界に来たんだ。魔法を使ってみたいんだ。
「それで、魔法ってどうやって使うんだ?」
「魔法の基礎は何をイメージすること。例えば火を出すイメージをすればが出る。水を出すイメージをすれば水が出る。魔力がイメージしたものに変換されるの」
「なるほど、じゃあ早速。火よ出ろ!」
…
出ない?
「なんで?」
「魔力不足…ですかね。ではお手本を基本はイメージすることと“詠唱”。“アロー”」
光の矢が鶏に飛んでいく。
1、2、3
一気に3体撃破か。
「すごい」
「こんな感じでやってみてください」
「(なるほど)アロー!」
…
「出ない?」
「出ませんね」
なんで…出ないんだ。
「仕方ありませんね。少し離れてください。最大火力の魔法を使いますよ」
「え」
葵は分厚い本を取り出して開く。
「神器“大いなる人々の記憶”!これはこの世に存在する全ての魔法を“記録”してそれを魔力消費無しで“使用”できる神器!行きますよ!」
「オールデリート」
目の前一面が紫色の光に包まれる。
そして、鶏全てを消し去った。
「これは消滅魔法。対象を消滅させる魔法です。今のは効果範囲を鶏のみに絞ったのでこれだけですが、本気でやればこの世界ごと消せますよ」
気軽に使ったらダメそうだな。
「まぁ、まずは基礎からコツコツですね。
さて、帰りましょうか。しばらくお金には困らないので引きこもります」
あ、泊まるとこない…。どうしよ。
「…来ます?」
「よろしくお願いします」
私は彼女について行くことになった。
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〜葵の家〜
「お邪魔します」
「どうぞ」
異世界という割には普通の家だ。
普通にスーパーがあり、普通のコンビニがあり、普通の電車もあって。そしてここ、2階建の普通の家。
ファンタジー感がない。
けど、あんまり変わらなくてよかった。
「2階に上がってすぐのところが私の部屋です。そこ以外ならどこを使ってもいいです。屋根裏部屋もありますよ。天井に窓がついてるので星もよく見えます」
「じゃあ天井裏で。天体観測が趣味なんです」
「決まりですね」
天井裏の部屋に行く。
10畳ぐらいの大きな部屋だ。しかもクローゼットもついてる。
「それじゃあまずは寝床ですね。“クリエイト”」
葵がは魔法でベッドを作ってくれた。
「ふかふかだ!ありがとう!」
「どういたしまして。私は部屋に戻ります」
「葵の部屋も見てみよ」
「何も面白いものはないですよ」
ベッドに椅子とデスクの上にパソコンと普通の部屋だ。
「私は引きこもります。おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
私も寝るとしよう。
今日は何故か異世界にいたり魔法を見たりよく分からない奇妙な1日だった。




