『淡い時の名残』
掲載日:2026/01/31
とりあえず読んでみてください。
凍りついた
海の底に
ひとつの
砂時計が沈んでいる
氷は 気配の名をそっと忘れ
砂は 時の記憶を ゆるやかに手放す
砕けた月影は
凍りついた深みを
かすかな震えのように よぎってゆく
残響の途絶えたところ
閉ざされた波の余韻が
静かな軌跡を 描いている
声なきものは沈み
触れられぬものは ゆらめきながら
ただ 淡い光の余韻だけが そっと残る
時は 輪郭を失い
海は 境界の眠りを抱き
そっと 光だけが 静寂を照らしはじめる
その向こうに
淡い時の名残が漂い
遠い気配のように
静かに息づいている
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