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神様の手違いで死んだ社畜おっさん、まずは自由を願い、次に明日を願う!TS転生し美少女に!最強チート《願い》は一日一回だけど万能です!異世界スローライフで世界も人も未来も救ってみせます!  作者: 兎深みどり
第一章《TS転生しちゃいました!》

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第5話《信仰》

 村を救った翌朝。

 広場にはまだ麦の山が残り、パンの香りが漂っていた。

 人々は空を見上げ、口々にささやく。


「……あの子から光が!!奇跡に違いない!!」


「神の子が現れたのかもしれん」


 


 視線が一斉にナユへと集まる。

 布団の中であくびをしているだけなのに、村人達の目は熱に浮かされたようだった。


「この子は特別だ!神に選ばれし子だ!」


「きっとまた奇跡を起こしてくれるに違いない!」


 


 父と母は困ったように顔を見合わせた。

 父は頭をかきながら、母はナユをぎゅっと抱きしめる。


「この子は……ただの私達の娘です」


「そうです。神さまなんて……」


 けれど村人達は聞き入れなかった。


 


 ナユは小さな頭の中でため息をついた。


「……いやいや、俺はただの社畜だってば。神でも勇者でもない。普通の転生ラノベ好きサラリーマンなんだよ」


 


 村人の期待が膨れ上がっていく。

 ナユは思い出した。

 会社でよくあった「過剰な期待」と「無茶ぶり」の事を。


「……そうだ、期待値調整だ。報告・連絡・相談。これを徹底すれば、上司も顧客も少しは落ち着く」


 


 赤ん坊の舌足らずな声で、ナユは必死に「あー」「うー」と喋ろうとした。

 もちろん誰にも伝わらない。

 だが心の中では、しっかりとメモをつけた。


「今日の記録:村人が俺を神の子扱い。期待値調整が必要。よし……日報完了」


 


 まだ小さな声は届かない。

 それでもナユは決めていた。

 ――次の《願い》は、人々の“信仰”を利用するのではなく、本当に必要な形で村を救う為に使うのだと。


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― 新着の感想 ―
サラリーマンTS転生良いですね! TSモノは大好物なので続きを楽しみにしています!
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