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神様の手違いで死んだ社畜おっさん、まずは自由を願い、次に明日を願う!TS転生し美少女に!最強チート《願い》は一日一回だけど万能です!異世界スローライフで世界も人も未来も救ってみせます!  作者: 兎深みどり
第一章《TS転生しちゃいました!》

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第48話《静修》

 夜更け。

 月光が薄く差し込む寝室で、ナユは小さな手を動かしていた。

 昼間の訓練で光の粒を生み出せたことを思い出しながら、胸の奥に感じる“流れ”に意識を向ける。


 ――魔力って、使えば使うほど滑らかになる。

 なら、たくさん使えば……増えるんじゃないか?


 社畜時代の“積み上げ脳”が動き出す。

 体を鍛えれば筋肉が増える。なら、魔力も使えば増えるはず――単純だが、彼女なりの理屈だった。


 小さな指先に力を込める。

 ほのかな光が生まれては消え、また灯る。

 一度、二度、三度。

 繰り返すたびに、胸の奥の“もう一つの鼓動”が強まっていく。


 空気が微かに震えた。

 ナユの周囲を、ほの白い光の粒がふわりと舞う。

 息が上がり、額に汗が滲む。

 それでもナユは続けた。


 ――使えば増える。増やせば、きっと“次”が見える。


 やがて力尽き、ナユは小さなあくびをして目を閉じた。

 その手のひらには、まだ微弱な光の名残があった。



 廊下の陰で、セバスチャンがそっと足を止める。

 屋敷を満たす微かな魔力の揺らぎを感じ取り、唇に笑みを浮かべた。


「……魔力の発動を連日繰り返しておられるとは。まるで呼吸のように自然に……やはり、あのお方は特別ですな」


 老執事は静かに背を伸ばし、夜空を見上げる。

 窓の外、月が静かに輝いていた。


「幼き者ほど、伸びる。あの方は、それを本能で理解しておられる……」


 風が緞帳を揺らす。

 月の光が、眠るナユの頬を柔らかく照らしていた。


 


「今日の記録:寝る前に魔法を何度も使ってみた。使えば使うほど流れがよくなる。たぶん魔力量、ちょっと増えた。継続は力なり。日報完了。」

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