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神様の手違いで死んだ社畜おっさん、まずは自由を願い、次に明日を願う!TS転生し美少女に!最強チート《願い》は一日一回だけど万能です!異世界スローライフで世界も人も未来も救ってみせます!  作者: 兎深みどり
第五章《黒き騎士来訪編》

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第207話《集結》

 朝の校庭には、三つの科の生徒達が既に列を作っていた。

 空気はひんやりしているのに、皆の息づかいが重なり合って、妙な熱気が漂っている。


「ナユさん、こっちこっち!」


 ルゥが手を振る。

 ティトとメリアもその横に立っていて、ナユが駆け寄ると、小さく笑った。


「装備、全部持ってきたのです!」


「うん。忘れ物がなくて良かったわ」


 メリアが確認するように頷く。


「ぼ、僕も……薬草と道具、ちゃんと持ってきました」


 ティトが胸の前で袋を抱えながら言う。


「頼りになるのです!」


 そんな三人に混ざるように、柔らかい声が聞こえた。


「……あの。ナユさん、少し、いいかしら?」


 振り向くと、そこにマリエルが立っていた。

 以前のような気負いはまったくなく、むしろ少し頬が赤い。


「今日はよろしくね、ナユさん」


「こちらこそなのです。マリエルさんと一緒だと心強いのです!」


 ナユが素直に言うと、マリエルはその場でぴたりと固まり、耳まで赤くなる。


「……そ、そう……心強い……? べ、べつに……当たり前よ……」


「マリエルさん、照れてるのです?」


「て、照れてないわ!」


 後ろからクスッと笑い声がした。

 親善試合で戦った三人の貴族子息達が歩み寄ってきた。


「その……親善試合の時は悪かった」

「今日は協力しよう。足を引っ張りたくないしな」

「お前の判断は信頼に値すると、あの日で分かった」


 ナユはぱっと笑顔になった。


「みんなと一緒なのは嬉しいのです。よろしくお願いします!」


 和やかな輪が広がる。

 その少し離れた場所――木陰で一人、レナレスが腕を組んで見ていた。


(……妙な子だ)


 それだけを胸に、静かに視線を外す。

 誰にも気づかれないように。


 その更に奥、教師陣の集合場所では、ガルドナとオルフェンが言い合っていた。


「お前、今日こそは余計な魔法実験なんぞするなよ」


 ガルドナが眉間に皺を寄せる。


「実験とは心外だな。私は事実を観察しているだけだ」


 オルフェンは黒衣を揺らしながら、冷ややかに返す。


「お前の“観察”で生徒が怪我したら困るって言ってんだよ」


「君の怒号よりは安全だろう」


「なんだと?」


 リュミエルが慌てて二人の間に飛び込む。


「は、はいはい!喧嘩しないでください! 生徒が見ていますから!」


 そのやりとりに、生徒達からくすくすと笑いが漏れる。

 遠征前の緊張が、少しだけほぐれたようだった。


『ナユ、ドキドキしていますね?まだ遠征とやらは始まっていませんよ?』


「初めて行く地なのです、やっぱりワクワクしてドキドキするのです!ミラはドキドキしない?」 


『残念ながら、ミラは貴女のスキルなので……でも新しい情報を得るのは良い事ですね』


 そして――ガルドナが最前列に立つ。


「全員、準備はいいな?これより白脈山陵へ向かう。出発するぞ!」


 ざっ、と靴音が揃う。

 初めて三科が同じ方向へ歩み始める瞬間だった。


 


「今日の記録:白脈山陵への遠征がいよいよ始まったのです!みんなと歩けるのが嬉しいのです!先生達がちょっとケンカしてたのは心配だけど、きっと大丈夫なのです!日報完了!」

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