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アルディナの魔力  作者: Z.P.ILY
第一章 紅月の封印

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第3話:夢の残像

 部屋には、朝の光が柔らかく差し込んでいた。


 アーヤは冷たい汗を額に感じながら、重くなったまぶたを無理やり押し上げた。


 「ふぁぁぁぁぁーーっ」


 「あの夢のおかげで眠れなかったわ……起きなきゃ……」


 アーヤは小さくつぶやき、ゆっくりと身を起こした。


 夢の残像はまだ瞼の裏に焼きつき、心臓の鼓動だけが現実を刻んでいる。


 「それにしても、あの夢……」


 カーテンの隙間から射す陽光が、薄紅色の空をゆっくりと黄金色に変えつつある。

 まるで、夢で見た紅い月の名残を洗い流すかのように。


 「……考えても仕方がないわ。」 


 はっきりしない寝起きにもかかわらず、階下から子供たちの声が弾けた。


 「ママー!ユリオがまたパン落としたー!」 


 「フィリアが牛乳こぼしたーっ!」


 それに反応するように、どこか焦った声のレオンが呼びかける。


 「アーヤッ、大丈夫か?……おはよう!……朝ごはん、ちょっと…手伝ってくれると助かる…!」


 アーヤはいつもの感じに安堵しながらも、一瞬、夢の中の男の声を思い出して、胸に手を当てる。


――「契約は果たされる」


 夢とは思えないあの言葉が、なぜこんなにも心に重いのか。


 しかし次の瞬間、階下からふたたび笑い声と騒ぎ声が響き、アーヤは日常の朝の空気にそっと微笑んだ。


 「おいおい、二人ともいい加減にしてくれよ!」


 レオンの声が響き渡る。


 ここは私の家。現実はまだここにある。確かに、この手の中に。


「はいはい、いま行きますよ。」


 アーヤはベッドから立ち上がり、胸のざわめきを胸の奥にしまい込んでから、階段を下りていった。

「アルディナの魔力 第一章 紅月の封印」お読みいただきありがとうございます。

 今後の展開や、執筆における参考とさせていただきますので、是非、評価をお願いいたします。

 誤字や脱字がありましたら、遠慮なくフォームよりご報告ください。

 また、本作品へのご意見やご要望につきましては、メッセージ等で随時受け付けております。皆様からの忌憚のないご意見等をお待ちしております。

                   Z.P.ILY

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