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No601(呪い) 翡翠色の文字盤(ダイアル)  作者: SK工房
〜プロローグ〜 2020年横浜元町
1/11

美沙紀

京浜東北線が石川町駅に到着する頃には、空はどんよりとした厚い雲に覆われ始めていた。


美沙紀は駅を出ると、今にも泣き出しそうな空を見上げて大きく溜息をついた。

そして、今度はがっくりと頭を下げ、まるで落とし物でも探すかの様にトボトボと歩き始めた。


天気が崩れてきているとはいえ、元町方面に向かう大きな人の流れが途絶える様子はない。雨が降り出す前に商店街までたどり着きたいと考えているのか、みんなペースの遅い美沙紀を両脇から足早に抜き去っていく。


それにしても人が多いな・・


いくら週末とはいえ、この混み具合は半端ではない。

だが、時折後ろから突き飛ばされそうになりながら歩く美沙紀は、元町入口の交差点に立っている看板を見て、ようやくその理由を知った。


みなとみらい花火大会


そっか・・

今夜は花火大会なんだ・・


少しだけ見て帰ろうかな、と考えた美沙紀は、すぐに頭を横に振ってその案を自ら没にした。


そんな事したら、ますます惨めになるだけじゃない・・


美沙紀は、歩行者天国の商店街を歩きながら、力なく周囲を見渡した。どこもかしこもカップルで溢れかえっている。


浴衣を可愛く着こなし、楽しそうに彼を見上げる女の子。


手をつなぎながら、仲良くジュエリーショップに入っていく年輩の夫婦。



みんな幸せそう・・

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