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王太子の愛妾枠で結婚したのに、気がついたら私しか妃がいない!  作者: チョコころね


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11.迷惑な客人

…この国:エルべ

…隣国:アデニア

…隣国のお隣:ザミア

…ザミアの隣(大国):フィカス

にしました。出す予定じゃなかったんですが、なぜか広がり…_| ̄|○


 当該国――ザミアで、子爵次男を発見。

 追跡していると、連絡が入った。

 相手が一応騎士なので、いきなり拉致監禁は難しい(できないとは言わない)とのことだった。


「今のところ、おかしな振る舞いはない…と言いたいところだが」

「あるのね」

「宿泊場所が、貴族の屋敷だ」


 しかも、ザミア王家とも近しい間柄の侯爵家だそうだ。


「…子爵家との縁故関係は?」

「表立ってはないが、そちらの侯爵の領地は地域的に過去、マイヤール子爵のものだった領地に近い。大昔には親戚だったかも知れないね」


 姫の事がなければ、それもおかしくはないけど、姫の事を考えると、限りなく怪しい。

 なんかもう、『とりあえず捕まえて吐かせてしまった方がいいんじゃないかな?』と、夫婦揃って思い始めた時、子爵次男が消えたと連絡が入った。


「消えたというか、私の権限では調べられない場所に入ったとのことだ」

「…あー、分かった」


 そして二人声が揃った。


「「王宮」」


 暫定的に、子爵次男を『クロ』認定した二人に、驚くべき知らせが飛び込んできたのは、それから3日後だった。





 ザミアから、コンスタンス姫に縁談を申し込んだのは、現王の弟だった。

 御年(おんとし)27歳。


「年齢としては、ギリ許容範囲だけど…」


 独身というには、あまりに図々しい経歴だ。


「18で国内の公爵令嬢と初婚、20で死別。このあたりは同情の余地もあるけど…」

「その後は結婚こそしてないものの、何人かの貴族令嬢に手を出して、飽きては捨てて、今の愛人は元女優だそうだ」


 平民だった彼女は、いったん貴族の養女になって、王弟に(はべ)っている。

 王弟の女性関係は、国内でも有名な話らしい。


「それでも、一応独身だから、隣国の王も、縁談を強く跳ね除けられなかったんだな」

「ザミアは、お行儀悪いものね」


 ささいな切っ掛けで、すぐに軍を出す悪癖持ちのザミアは、20年近く前、隣接している大国フィカスに負けた。

 賠償金を払い、一時的に大人しくなっていたが、内外問わず小さな揉め事は起こしていた。





 2人の会話は、レアンドルの執務室で行われていた。


 他にも人が3人いる中で、ザミアについて話せるのは、話題の王弟がこの国に来ることになったからだ。


 隣国を挟んでいるので、領土争い等はない。

 だが、取り立てて友好国という訳でもない国に、なぜ王弟が来るかといえば…


「それにしても耳が早すぎますよ。コンスタンス姫が倒れたのを、どこから聞いたんでしょうね」


 仕事が一気に増えた、王太子付きの官僚の一人がぼやいた。

 それに対して、もう一人の官僚が応える。


「お隣からだろう。少数派だろうが、あの国にも親ザミアの貴族はいる」

「元ザミア領もありますからね」


 官僚たちの会話を聞き、レアンドルとマルグリッドは生ぬるい微笑みを浮かべた。


(自分たちが調べていたのがその辺りだったのは、もう偶然じゃないわよねぇ…)


 なぜ姫が倒れたから、ザミアの王弟が来るかといえば、ぶっちゃけごり押しだ。

 表向きは、友好の使者(笑)。

 だが事前に隣国に対して送られた書状は、以下のとおりである。


『まだ幼い姫を、あのように遠くの、野蛮な国に出したから、病になられたのです』


 ――年端もいかない姫を嫁に出したのは、そちらが強引に割り込んできたせい。

 ――こちらの王城は、ザミアの王城より、隣国の王城から近い。


『野蛮な国』に至っては、どの口が云うのか…と、ツッコミは絶えないが、一番は


『私と結婚していれば、こんな事にはならなかったのに…』


 の一言。

 アンタと結婚していれば、もっとひどい状態になっていたよ――!

 これは当人以外のすべての人間の認識だと、マルグリットは思った。


 要は、自分が姫の様子を『見て来てあげます』から、姫がOKしたら自分を婿にしろ、と言ってきたのだ。


 勿論、隣国は断った。


 これに関してはきっぱりと、『遠慮申し上げる』『姫はすでにあちらの国の人間です』と返したが、王弟は自国の王の親書を盾に、意気揚々とこの国にやって来た。




 一応、一国の王の弟ということで、国王と王妃が彼を迎えた。

 コンスタンス姫の夫である王太子は、話がこじれるとの事で遠慮することになった。


「濃かったわ…」

「妃殿下……そんなにですか?」

「そんなによぉ~」


 王妃は、げっそっりと疲れた感じで、顔を(あお)いだ。

 話を聞きに来たマルグリッドに、いつも陽気な彼女らしからぬ、難しい声で告げた。


「陛下も遠回しに、『さっさと帰れ』って言ったんだけど、ダメねアレは」


 言葉が通じやしない…と王妃。


「コンスタンス姫に会うまでは帰れない、ですって」


 会わせる訳ないじゃない!と王妃殿下はキレていた。

 療養中の王太子妃に、以前横から求婚してきた、他国の王弟なんて会わせられる訳がない。


 ちょっと考えれば分かる話を、『隠されているとは後ろ暗い事がおありでは』と、痛くない腹を探ってきて、うっとおしい事この上なかったそうだ。




…年末いろいろ立て込んでしまい(いや自分が病になるより、病の方の分忙しくなる方がマシなんだけどね…(:_;))、クリスマスまでに完結難しくなりました。

いろいろ申し訳ない…

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