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愛してるとは絶対言いません

目を覚ますと、私はベッドの中でした。


コーディは怒り顔で私を見下ろしています。


「なぜこんな事をしたんですか?なぜ自分を傷付けるような事をしたんですか!」


コーディが声を荒げる姿を初めて見ました。本気で怒っているようです。


「決まってるでしょう。ここから逃げるためです」


「まさか窓から飛び降りるとは僕の想定外でしたが、ケガして動けなくなっては本末転倒でしょう」


「ここに閉じ込めたあなたには言われたくありません」


「そんなにここが嫌ですか?」


「当たり前です!」


「だったら、僕を愛していると言ってください」


「それはもっと嫌です!」


「どうしてですか?ア・イ・シ・テ・イ・ル、たかだか6音ですよ。嘘で言っても僕には分からないし、僕さえ本気の言葉だと信じればいいだけの事です」


「もし私が愛していると言ったらどうするつもりですか?」


「どうもしないよ。僕が欲しいのは君の愛、それが手に入ればそれで終わりさ。愛は長く持ち続けると壊れてしまうものだろう?だから僕は結婚はしないし、君と過ごしたこの何ヶ月間を愛の記憶として心に刻み、僕は次の愛を求めて再出発するんだ」


うっとりと語るコーディを見て、私はこの人とは一生分かり合えないと確信しました。


「あなたを愛してるなんて言いません、絶対に!」


「僕の想像つかない大胆な行動をしたから君はすっかり心を解放できたんだと思ったけど、まだ足りなかったみたいだね…

本当の君は誰も愛していない。僕と同じで、いつでも自由でいたい人なんだ、なぜ気付かない?」


「出て行って、一人にしてください」


その夜、私は枕に顔を埋めて子供の様に泣き続けました。


 * * *


それからの数日間、ナイトドレスを着替える事もなくベッドに横たわったままの私は、平穏な日々を過ごしました。


メイドのジェシーが塗ってくれた薬草は効果絶大で、五日後には何とか歩けるくらいまで右足は回復していました。


このままだとまた前の生活に戻ってしまいます。それだけは避けたい。

私は一か八かの賭けに出る事にしました。


それは、ダルトンにひとつのお願いをする事です。彼がそれを叶えてくれる保証は全くありません、これは本当に賭けでした。


ダルトンが屋敷にやってくる日、私は足首の包帯を解いて塗られた薬草を人差し指で拭い取ると、それを使ってシーツに手紙を描きました。

その部分を引きちぎって丸めると、ダルトンが窓の下を通るタイミングで落としました。

後は運を天に任せるだけです。


そして二週間後、その日はやって来ました。


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