表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セカイの沙汰も金次第$$$  作者: ゴールデン☆ガチゴリラ
現実編:プロローグ
2/32

第1話:主人公・笠崎 叶多の今日

「あ〜……5000兆円……欲しいな……。」


笠崎 叶多は、本日8回目の溜息を吐いた。


口から零れ出た金額とは裏腹に、彼の財布からは小銭のぶつかる音しかしない。


食べ盛りの叶多の腹の虫がぐぎゅうと鳴く。


「学食なら金額足りたんだよな、クソ……。」


空腹と少しの罪悪感を押さえつけるように、叶多はスマホ上の指を滑らせた。


叶多が学校をサボり始めて、もう3日になる。


元々、サボりがちではあったのだが、ついに連続でサボってしまったのだ。


特にこれといった理由があるわけではない。


特別親しい友達もいないし、勉強は退屈だ。


真面目でもなんでもない叶多には、サボる理由も無ければ、学校に出向く理由もないのだった。


「スマホ見てれば一日が秒で過ぎてくもんな〜。生産性は無いけど。」


初夏の日差しが強くなる今日この頃、叶多の日課は、『母親のパートが終了して夕食が提供される午後7時』まで、近所のファミレスのドリンクバーで粘ることだった。


「……ん、そろそろ帰るか」


読みかけのウェブ小説を閉じ、席を立つ。


会計を済ませようとすると、ウェイトレスがじっとりとこちらを睨みつけてきた。


「あの、何すか。」


「……いえ、またの御来店をお待ちしております……。」


若干尻込みした様子で、ウェイトレスは目を逸らした。


そのまま店を出ると 閉じたドア越しに、ウェイトレスの愚痴が聞こえる。


「チーフ、いくらなんでも長すぎですよ!午前からずっといますよ!?しかもあれ、私服でしたけど、高校生じゃないですか!?完全に補導対象でしょ!」


「し〜っ!聞こえるとこで文句言わない!まぁ気持ちは分かるけど……」


明日は来ないでおこう、また別の場所を見つけないといけない。


叶多は、本日9回目の溜息を吐き、帰路に着いた。


Copyright (C) 2020-ゴールデン☆ガチゴリラ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ