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聞こえない

作者: 来留美

私は聞こえない

あなたの声が


私は聞こえない

あの子の声が


私は聞こえない

私の声が


私は聞こえない

フリをしている


何も聞きたくない。


もう、傷付きたくない。


それでも聞こえてくる。





そんな私を見ていた彼が言う。



「何をそんなに気にしてんの?

人に何を言われても自分は自分だろ?」



気にしなければいいのかもしれない。


でも私にはできないの。



「もう、何も聞きたくないのに。

いろんなところから聞こえてくるの」


「俺の声も聞きたくない?」


「えっ?」


「じゃあ最後に一つだけ聞いて」


「うん」


「お前は誰に対しても優しいし、

人の気持ちを考えて行動してるし、

頼まれ事も嫌な顔をせず引き受けるし、

悩んでる人の話をちゃんと聞いてあげるし、

傘を忘れた人に自分の傘を貸してあげたりするし、

人が面倒と思うことを自分からしたりもする。

まだたくさんあるんだお前のいいところ。

それでも何も聞きたくないのか?」



彼は真剣に私のいいところを言ってくれた。



私の心が軽くなる。



人にはいいところもあれば悪いところもある。


世界中の人から好かれるなんて無理。


まずはあなたのいいところを見つけて。


そして悪いところも見つけて。


ちゃんとあなたを認めてあげて。


するとちゃんと聞こえるはず。


あなたを見てくれている誰かが。


あなたのいいところを教えてくれる。


大丈夫あなたは一人じゃない。






私は聞いている

私を褒める誰かの声を


私は聞いている

隣で褒める彼の声を






やっと心が晴れた。

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