プロローグ:開幕は鐘の音とともに
開幕は鐘の音とともに
君ら人類は、全知全能の神がいると思うかい?
“神”と呼ばれるべき存在。
“神”相応の力をもつ存在。
そんな存在が、この世…いや、あの世でもいい。神が実在すると、君らは思うかい……?
絶対にいる?
いる筈が無い?
さぁ、どうだろうねぇ?
そんなこと、私は知らないし知る気もない。だって、それを知ったところで私になにが起こると? どんな得や損が起こると? どうだっていいのさ。私は、あの世にもこの世にも全知全能の神はいないと思っているからねぇ。
結果、神はいました。全知全能の、素晴らしい神が。そしたらそれは、そこで終わり。終われば、「信じる」という続きも、「疑う」という続きも存在しなくなってしまうんだよ。
だから、答えなんて探そうとしなくていい。見つけたいとも、思わなくていい。自分の考えを信じ、神を見つけたら喜ぶ。それでいいと、私は思うんだけど……? じゃぁなんで聞いたのかって? …ただの好奇心だよ。
そうそう、答えについてだったねぇ。まずは個人の意見を尊重しないとね?
何々? 神は存在しない? そんなものがいたら、この世界から飢饉や戦争は無くなるはずだ?
何を戯言を…。 言っただろう? 全知全能の神なんていないって。神は、何でもできるわけじゃあないんだよ。何でも出来る完璧な存在なんて、実在しないし、してはいけないんだ。
何故? そんなこと簡単さ。完璧な人間がいたとしたら、世界のバランスはどうなる? その存在の助言や手助けのおかげて、世界は満たされる。そうなると、その存在は休まずに役割を果さねばならなくなるんだよ。そのせいで、その存在の死期は早まる。つまり、完璧な存在でも死には勝てない。そのうちそれは死に、それの場所が空くことになる。そうなれば、今まで完璧だった世界は、そこで崩れていくことになる。
だってそうだろう? 助言や手助けがされなくなれば、他の存在たちはどうなる? 今までその助言があったため、この世界はきちんと進んでこられた。だが、その助言がなくなれば進むことができなくなってしまう。頼ってばかりいると、いざ頼れなくなったときに、困るのは自身なんだよ。
難しいことをベラベラと話す気はない。ただ、神の存在についてが知りたかっただけなんだよ。
最後に、これからのことを話そう。これから、私が見ている場所で不幸が起こる。いつもと同じ様に。でも、結末が違うんだよ。普段はバッドエンド。でも今日は、本人たちにとってのハッピーエンドが待ち構えている。それについて、君ら人類に語りたいと思うんだ。まぁ、私の娯楽に付き合ってもらうだけなんだがね。
ん? なんで私がそんなことを知っているのかって? ははっ、そうかそうか! 自己紹介がまだだったね。
私は―――――――――――――神だ。
以後、お見知りおきを。
初めての投稿になります。そして、初めての後書きです。まだまだ生まれたばかりで、非難したくなる部分も出てくるかもしれませんが、どうぞ一話だけでも目を通して下されば本望です。
どうぞこれからも、狗駒 青の世界を楽しんでいってください。