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輝石世界

番外編「ベスタと虫」白虎の冒険「東の国」~なんで古代ヨーロッパ?~TS転生♂↔両性↔♀

作者: 城井久麻

「白虎の冒険~なんで古代ヨーロッパ~」の番外編です。本編の流れを止めてしまう&ネタバレになるので、こちらに載せます。

✳できましたら、ここから先は読まず、本編を先にご覧ください✳



主人公ルーグ(=ルー 聖獣・白虎の後継者)はイアリロ達『旅の仲間』と旅に出ます。ルーはイアリロの部下でもあったビプネンを無意識に神官(眷族)にしてしまい、力の使い方を学んでいます。

✳本編=二幕 旅の仲間 一話の道中の話です✳

 馬で北の村に向かう途中、暫く平坦な道が続いた。ビプネンが先頭してくれていて、穏やかな昼下がりだった。


 俺は、ビプネンを神官にしてしまったように無意識に力を使わないよう、イアリロに注意点を教えてもらっていた。

「じゃあ、自分が感じている事か、名前に引き摺られている事か、一つ一つ確認しないといけないんですか?」それは難しそうだ。


「いや、本能的な嗜好は余り変わらない。変えるのに、かなり努力しなければならない程だ」

 首を傾げる俺に、イアリロが例を出してくれた。


「例えば、ベスタは生まれてすぐの頃は、ほぼ鳥の雛としての意識しかなかった。先代朱雀である親鳥が口内で餌をすりつぶし、ベスタはそれを啄んでいた」うん、と頷く。鳥の姿で生まれたって言ってたな。


「親鳥は急用で巣を離れなければならず、ベスタの世話を私の母である蒼竜に頼んだ。母は鳥なら爬虫類を食べるから、小さな蜥蜴の姿なら怖がられないだろうと考えた。少しくらい突っつかれても大丈夫だから、と」続けるイアリロに頷く。


「出来る限り小さく、害のなさそうな蜥蜴になって、ベスタの巣を守りに行ったのだが、それを見たベスタが恐慌した。狂ったように巣を飛び出し、小さな穴に隠れてしまったんだ」うん、ひよこの様な小さな鳥の雛を想像する。あの雄大な姿になるには百年かかるんだな。


「母は途方にくれた。その穴に入れる程小さくはなれなかったし、呼びかけても分からないのか反応がない。念話も人の言葉も、少し水をかけることまでしてみたが、どうしようもなかった。とうとう、親鳥が帰るまで、そのままでいるしかないと諦め、餌である虫を穴の中に追い立てた」うん、嫌な予感がするな。


「虫を入れると穴の中で大騒ぎが起きた。それでも、飢えさせては、死なせてはいけないと母は必死だった。虫を食べて貰うのに三日かかったそうだ」はぁ、とイアリロはため息を吐いた。


「後々、母はベスタから前世で虫や爬虫類がひどく苦手だったと聞いたが、雛の頃の事はよく覚えていないと言っていたそうだ。私は母とベスタ双方の為に良かったと思った」


『前世の嗜好は、本能に勝る』という例か。一大スペクタクルだったな……でも、やっぱり言っておこう。

「ベスタ婆は冬の朝に布団を濡らした俺に、団子虫を捕って来させて、粉にして飲ませようとしたんだ。お漏らしが治るからって」


「そうか。母心は凄い、とか、母は強し、と思っておこう」イアリロが重々しく頷いた。

 なるほど。イアリロは俺やクヴァシルより知恵がある。女性には勝てない、と。


ご覧頂き、ありがとうございます。

✳おねしょが~は民間伝承です。実際にやってお腹を壊した話を知ってます。くれぐれも真似なさらないで下さい✳


本編をご覧頂いている方でないとちんぷんかんぷんかと……すみません。

よろしければ、作者リンク 又はこちらへhttps://ncode.syosetu.com/n4474ff/

✳ベスタ婆=聖獣・朱雀。

✳編集後、本編途中に移動するかもしれません。

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