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デスゲームから始める絶対内定  作者: おでん信用金庫
プロローグ 説明会
3/4

#3 説明会のご案内

前回までのあらすじ


「ジェノサイド社」にエントリー!



 ジェノサイド社へのエントリーを完了させてから5日ほど経っただろうか。エントリーの際に記載したメールアドレスに、「エントリーありがとうございました!」などといった返事は未だ来ない。普通ならすぐにエントリー完了メールが自動送信されるはずなのだ。


 やはりイタズラの求人広告だったのだ。まぁ最初から信じてたわけじゃないが、内心少しガッカリした。こんなフィクションみたいなことが本当にあるのか、という非現実(アウトロー)に触れたような気がしていたからだ。


 しかし考えれば考えるほど、自分の幼稚さに気付いていく。デスゲームなんてマンガやアニメの中だけでの話であって、現実に起こる出来事なわけがないのだ。現実逃避にもほどがある。


 デスゲームだなんてくだらないこと考えてないで就活しろ、就活。そんなもっともらしい説教を自分に浴びせながら、今日も俺はオンラインゲームの世界に入り浸る。





 その日の夜のことだ。俺は一人暮らしをしているから、夜になったら母親が作ってくれるなんてことはない。だが、自炊をするのも面倒だ。だから俺は、飯を食うために外に出た。


 ラッキーなことに俺は両親からの仕送りが過剰であるため、金には余裕がある。自炊などせず外食の限りを尽くしたところで、生活に支障を来すなんてことは一切ない。だからアルバイトもしないし、だからといって生活に制約をすることもなかった。



 これを世間では「親のすねをかじる」行為だと呼ぶ。この言葉はマイナスな意味で捉えられがちかもしれないが、俺はそうとは思えない。なぜなら、俺は過剰な仕送りを懇願(こんがん)しているわけではないからだ。


 過剰な仕送りは、両親が勝手にしていることだ。「仕送りたくさんほしいなぁ~」とか小さく根回しをしたわけでもない。両親が自分で仕送り金額を設定し、それを俺に送りつけているにすぎない。そして俺は、それをありがたく使わせてもらっているにすぎない。


 両親と俺、双方が良いと思っているなら、それはそれで問題ないではないか。誰にも迷惑はかけていないのだから、わざわざ第三者が口を挟んでくることではない。



 だが、両親は俺の将来に期待をこめて、過剰な仕送りをしてくれているのだろう。そう思うと、就活もロクにしないでオンラインゲームばかりしている自分が嫌になってくる。それは両親の思いに背く行為だ。両親を侮辱しているといっても過言ではないかもしれない。



 俺は少し反省した。今の自分の姿を、両親に見せることなどできない。胸を張って誇ることもできない。だから、少しでも両親に誇れるように努力しようと思ったのだ。


 外食はやめだ。家で何か作って食べる。そのほうが、食費はもっと安くつく。高い金を払わなくても満腹にはなる。贅沢はやめだ。


 そして、もうちょっと現実に向き合おうと思った。そう、就活に対してである。何も準備していない自分だが、まだ間に合う。今からでも就活を始めれば手遅れなんかではない。そんなことを思いながら、俺は来た道を振り返り、帰路についた。



 その直後、何者かに背後から殴られ、記憶はそこで途切れた。ここまでが、俺が謎の部屋で目を覚ますまでの簡単なあらすじになる。

就活あるある


とりあえずエントリーした企業からのメールがウザい

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