プロローグ
恋愛小説かけなくてごめんなさい(>_<)アハハ
「てめえ奈津−!真面目にやれー!俺が喰われんだろうが−!」
「ここここれで目一杯だよ〜ぉ」
僕の名前は熱海奈津。海と川と山に囲まれたこの町で、27年間平凡に生きて来た。
これから先も平凡な人生と思っている。相当余程の事がない限り。
だが起きた。
余程の事が。
マリンジェットを操り、猛スピードで水上を疾走する奈津。
そして、マリンジェットから伸びる一本のロープ。そのロープに引っ張られ、梅男は水上をバウンドするように勢い良く滑る。
両足には板を装着。世間一般で言われている、ウェイクボード。
ただ世間様のウェイクボードとちょっと違うのは、梅男のすぐ後。
梅男から5メートルほどの距離、水中からぴったりと梅男をマークしている白い物体。
「奈津ー!面舵いっぱいだコノヤロウー!」
「え、え?面舵って、どっち―?!」
「面舵ったら面舵だばか!それでも漁師の息子か―!」
少なくとも、奈津の知ってる漁師の中で 面舵いっぱーい、と操舵する漁師はいない。
その様子を岸で見守るしかない富田、紺、晴の三人は、白い物体が梅男に迫る度に奇声をあげている。
「ふぁ―!」
「きあ―!」
推測するに、
早く逃げて―!
の意味。
拭う間もなく水飛沫が顔に吹き付けてくる。
耳をかすめる風邪なんて、もうびゅんびゅんいってる。
歪んでいく視界の中で、奈津は自分の頭の中を肩越しに覗き込むように記憶を辿る。
思えばそう、あれがすべての始まりだったのかもしれない。