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流行りのメイク

作者: 山居中次

これは、僕の知り合いのA子さんの話です。


女性なら、誰もが流行りの服やメイクが気になると思いますが、彼女もそうでした。


A子さんの場合は、メイクでした。

メイクと言っても、赤い口紅を刺すとか、白粉を厚く塗るとかじゃなくて、素顔に近い薄化粧。まあ、今でいうナチュラルメイクってやつなんだと思います。

何かの雑誌で見たのか、それとも、テレビの女優さんがしていたのかは、A子さん本人も記憶が曖昧ではっきりとは思い出せないんだけれども、彼女は、そのメイクをいたく気に入ってました。どこに行くにも、彼女はその顔で出掛けていました。


僕もそのメイクは、彼女によく似合っているなぁ。と思いましたが、今思えば、A子さんがそのメイクにしてから、彼女の存在がどこか淡く、儚げに見えたモノだと思いました。そして、A子さん自身も時々体調不良をその頃から度々訴える様になりました。


「A子さん、最近よく、体壊すって聞くけど、大丈夫?」


ある休日、久しぶりにあった彼女に、僕がそう聞くと、A子さんは、儚げに笑って言いました。


「うん、最近変な夢を見て眠れないの」

「変な夢?」

「うん、暗くて狭い所に閉じ込められて、どこからか、お経が聞こえるの」


そして、それが毎晩続くのだとA子さんは、僕に教えてくれました。

僕は、その話に只ならぬモノを感じ、知り合いの霊媒師に診てもらうようA子さんに提案し、彼女も同意しました。

そして、彼女を霊媒師に診てもらいました。

すると、霊媒師は、A子さんを診るやいなや、「あんた、その化粧どこで覚えた?」と強い口調で言いました。


「え?いや、その、流行りのメイクです」

A子さんがそう答えると、霊媒師は、怒鳴り声で言いました。


「バカ、あんたそりゃぁ、死化粧だよ」

その瞬間、A子さんは、思い出したのです。

ああ、このメイクは、不慮の事故で死んだB子の最後のメイクだと。

こんな話信じるか、信じないかは貴女しだい。


でもね。


貴女がしているそのメイク、どこで覚えたのか?思い出せますか?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 無駄なく短くまとまっており、読みやすいです。 [気になる点] フェイクというのは無しで、普通に怪談としてまとめたほうが良いと思います。 [一言] 行間を空けると、もっと読みやすくなると思い…
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