突然の来訪
幸風が訪れた日から数日経ったある日、華琳がいつものように花の世話をしていると、誰かが店のドアをゆっくりと開けて入ってきた。
「あれ、誰ですか?今日はお休みの日ですよ?」
「やぁ、こんにちは。」
聞き覚えのある声。深く低い声、おっとりとしながらもハリのある声…!
「幸風さん!いらっしゃいませ、どうされたんですか?」
「休みって事は知ってたんだけど、近くに来たから何となく寄ってみたんだ。最近どう?」
「順調です♪よく来てくれる方も増えたし、喜んでくれて嬉しいです!」
「あぁ、よかった。でも、華琳ちゃんの方も聞きたいな。」
「あっ…えへへ、私は元気ですよ。最近暑くなってきたからこの服も買い換えたいとかは思ってます。」
「そうなのか、私もまだ寄りたい所があるし、時間があったら一緒にどうかな…?」
「本当ですか?是非!急いで支度してきますね、ちょっと待っててください!」
華琳は急いで店の奥に入っていった。
服はこれ以外持っていないからそのままで、お財布持って。
…そういえば、幸風さんの隣や後ろに誰もいなかったから1人で来たんだ。じゃあ幸風と2人きりで出掛けるのか…。って…!
「も、もしかして、デート…?!」
意識すると急にドキドキしてきた。支度をしようとしていた手が止まって固まってしまった。
「ま、まぁ、ひとまず忘れて、支度っ!」
そう呟いていたのが幸風にも聞こえていたのは華琳は知らない。