ルート
クリスとレオンはとりあえず周りにあるモノを調べてみた。
腕にはめてボタンを押すとロープが飛出し、それをひっかけることで上に一瞬で上がることができるアイテムや一見普通の靴なのだが内部のガスがジェットの役割をし高く飛べる道具などあれば盗聴器、設置することで相手の位置を確認できるモノや麻酔銃など多々ある。
そして車にはたくさんのボタンがついており水の上を走ることができれば追ってくる車に黒いガスを噴射して前を見えなくする機能やタイヤからドリルが出てきて相手のタイヤをパンクさせたり、銃や尖ったモノではパンクしないタイヤなど車にもたくさんの機能がついている。
そして銀行の設計図に目を通したクリスはある事に気付いた。
「これは100%侵入できない・・・祖父さんは諦めたんだ」
「何か攻略法はないのか?」
「ないな・・・でも、それは確実に誰にもバレずに侵入するのが100%無理という事だ」
「じゃぁ・・・堂々と真正面から入るのはできるのか?」
「あぁ、でも成功の確率はほぼ0%に近くなるがな」
クリスはレオナルドの金がある金庫までのルートを説明した。
「まずは銀行そのものはどことも同じで監視カメラもそれなりに設置されている」
「これは受付だよな?その受付の後ろに扉があるな」
「おそらくその扉からが金庫へと続くルートだろう」
「そしてその金庫までに4つの守りが待ち受けている」
祖父さんが調べてきた資料にはどれだけ厳重なのか少し情報が記載されていた。
扉の奥には指紋認識センサーと目の形そして黒目の大きさで認識して開く鉄の扉がある。
その次には鉄格子があり、レオナルドしか持っていない鍵でしか開かないようになっている。
そして次は厚さ3cmの金属の扉があり、ここは6桁のパスワードで開くようになっている。
また最後の扉に進むまでの道中はすべての電気類のパワーを特殊な電磁波で破壊する仕組みになっている。
ちなみに最後の扉は世界に2枚しかないIDカードでしか開かない。
一枚はレオナルド・コールドが所持しており、もう一枚はスペアである場所に保管されている。
つまりパソコンやコピーのIDカードなどは電磁波によって使えなくなってしまう。
そして最後の扉を開けるとそこには多額の金が置かれている。
しかしこの部屋にも仕掛けがあり、室温25度が保たれているため人が入ると即警報が鳴るようになっている。
その室温設定を解除するにはレオナルドが持っているパソコンで4桁のパスワードを3つ入力しなければならない。
ルートを公表しても絶対に突破することのできないことから、当時のレオナルド・コールドはこう言った。
「maze home(迷路の家)」と。
「とりあえずこの部屋にはすでに祖父さんの遺産が残ってるな」
祖父さんはレオナルドの指紋とコンピューターで立体的に作り上げた目の型を確保していた。
「鍵はどうにかして接触しないとな・・・」
「IDカードはスペアを手に入れるしかないな」
「パスワードは・・・ハッキングして探し出すしかないな」
「なぁ兄貴・・・上手くいくと思うか?」
「さぁ~な、正直に言えばこんなの神でも不可能かもな・・・もしも0.01%でも確率があるならば俺達は富豪ではなく神になれるかもな」